1994 Fiscal Year Annual Research Report
酸性雨および路面凍結防止剤の作用をうけるコンクリートの性能向上に関する研究
Project/Area Number |
05660269
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤井 卓 東京農工大学, 農学部, 教授 (90041920)
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Keywords | コンクリート / 酸性雨 / 融氷剤(路面凍結防止剤) / セメント系複合材料 / 炭素繊維 / アラミド繊維 / 高炉スラグ微粉末 / 微小硬度 |
Research Abstract |
1.目的: 酸性雨および路面凍結防止剤の作用をうけるコンクリートの表面被覆用材料の開発を目的として、(1)高炉スラグ微粉末を添加したセメントペーストを炭素繊維、アラミド繊維などの短繊維で補強したセメント系複合材料の水酸化カルシウムの溶出と微小硬度変化、および(2)高炉スラグ微粉末を添加したセメント硬化体の透水性を検討した。 2.実験内容 (1)普通ポルトランドセメントを用い、水結合材比W/(C+S)を30,50,70%、スラグ置換率S/(C+S)を0,10,20,30,50%、繊維混入率Vfを0,1.0,1.5,2.0%および材齢を7,28,56,91日とした。高炉スラグ微粉末を添加したペーストに炭素繊維あるいはアラミド繊維を混入し繊維複合セメント硬化体を作製した。養生終了後、pH3の硫酸溶液に56日間浸漬し、浸漬溶液のpHおよびCaイオン濃度および養生直後および浸漬終了後の残存Ca(OH)_2を測定した。 (2)水結合材比を50,60,70%、スラグ置換率を0,30%、材齢を7日として透水性試験用の供試体を作製した。浸透液として真水およびpH3の硫酸溶液を用い、高速遠心機により9時間における透水量を測定した。 3.研究結果: (1)残存Ca(OH)_2量はスラグ置換率および繊維混入率の増加に伴って減少する。 (2)硬度はスラグ置換率および繊維混入率の増加に伴って増大する。なお、繊維を混入したBS系複合材では養生期間の増加に伴って硬度は増大し、炭素繊維を混入した複合材の方がアラミド繊維の場合より硬度は大きい。 (3)一般的に酸性溶液の方が真水より透水性は大きいが、水結合材比によって挙動が異なる。 (4)水結合材比70%の場合、高炉スラグ微粉末の添加[S/(C+S)=30%]によって透水量の減少は、真水およびpH3の硫酸溶液でそれぞれ約1/10および1/4となる。 (5)以上の結果から、コンクリートの表面被覆用材料としてスラグ置換率50%、繊維混入率2.0%、水結合材比30%としたペーストマトリックスを炭素繊維で補強したセメント系複合材が推奨される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤井卓: "酸性溶液の作用をうける繊維補強セメント硬化体の挙動" コンクリート工学年次論文報告集. 16. 907-912 (1994)
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[Publications] 藤井卓: "酸と融氷剤の作用をうける複合セメント硬化体の挙動" セメント・コンクリート論文集. 48. 542-547 (1994)
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[Publications] T.FUJII: "Combined Effect of Acid and Deicer Solutions on Fiber-Reinforced Hardened Cement Pastes" Proc.of Int.Conf.on Concrete under Severe Conditions. (1995)