1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660290
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内野 敏剛 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (70134393)
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Keywords | コロナ放電 / 農産物乾燥 / イオン風 / 乾燥促進 / 蒸発促進 |
Research Abstract |
コロナ放電を利用した農産物の乾燥技術を確立するため、コロナ放電下の水の蒸発機構を調査した。 実験装置と方法:イオン交換水を入れた蒸発容器の直上にステンレス針製の高圧電極を、また、容器内底面にアルミ平板製の接地電極を設置し、高圧電極に電圧を印加して水の蒸発量の経時変化と放電電流を測定した。印加電圧は-6〜-12kVまで2kVおきに4水準とし、水温の変化も同時に計測した。コロナ放電による蒸発促進現象は、イオン風の強制対流による水面上の境界層の破壊のためとするものが多いが、イオンによる効果も否定できないため、次の実験によりイオンの効果を検討した。すなわち、直接水面に対して放電する実験(以下水面実験とする)と水面上の接地金網に放電する実験(以下金網実験)を行った。金網実験はイオンを水面上の接地金網で捕らえ、風のみが水面にあたり、空気流のみの影響を調べることができる。 実験結果:放電電流は水面実験と金網実験で大差ないため、水面を接地電極とみなして差し支えない。水の累積蒸発量は両実験とも時間の経過にともない直線的に増加し、また、電圧の増加とともに蒸発促進効果は高まった。全ての放電処理区で蒸発速度は自然蒸発の2から3倍に達し、放電処理区と自然蒸発区との間に5%水準で有意差があった。金網実験では、電圧の増加にともない蒸発速度はほぼ直線的に増加し、イオン風の強制対流の増大によるものと思われるが、水面実験では-6kVから-10kVまでは蒸発速度はほぼ同じで、イオン風の影響のほかに何らかの要因が作用しているように思われる。水温の変化は放電開始時に低下し、20〜30minで平行状態になったが、水面と金網の両実験間に有意な差はみられなかった。 またこの他に、イオン風の風速を測定し、各電圧ごとのイオン風風速分布を得た。
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