1994 Fiscal Year Annual Research Report
サイレ-ジの発酵過程における構造性炭水化物の分解とその栄養価に関する研究
Project/Area Number |
05660303
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松岡 栄 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10003112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 明治 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10003146)
高橋 潤一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20111198)
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Keywords | サイレ-ジ / オ-チャードグラス / 発酵品質 / 構造性炭水化物 / 貯蔵中の成分変化 / in vitro消化率 |
Research Abstract |
1.昨年度は、サイレ-ジ貯蔵中の構造性炭水化物の分解と発酵品質との関係を中心に検討した。本年度は、構造性炭水化物の分解がその消化性に及ぼす影響を明らかにすることをおもな目的として試験を実施した。 2.本実験には、昨年度調製した12コのサイレ-ジを供試した。このサイレ-ジは、市販の乳酸菌製剤の添加量を変えることにより発酵品質ができるだけ大きく異なるように調製されたものである。サイレ-ジは、凍結乾燥してから、1mmの篩を通る大きさに粉砕し、試験試料とした。乾物の消化率はTilley & Terryの方法により測定し、NDFとADFの消化率は、この方法の第2ステージのペプシン処理に替えて、中性または酸性のデタ-ジェントで処理することにより測定した。ヘミセルロースの消化率はNDF-ADFの計算から求めた。 3.サイレ-ジの乾物、NDF、ADF、ヘミセルロースの消化率(最低〜最高)は、それぞれ66.4〜70.3、62.6〜68.6、60.9〜66.0、65.4〜75.4であった。昨年度調べたこれら成分の貯蔵中の分解率は、それぞれ4.4〜20.0、12.3〜29.1、1.5〜12.5、25.1〜49.9であった。これらの数値をもとに、消化率と分解率との間の相関係数を求めてみると、それぞれ-0.784(P<0.01),-0.693(P<0.05),-0.386(N.S.),-0.812(P<0.01)であった。また、乾物とヘミセルロースについて、消化率(Y)と分解率(X)の間の回帰式を求めると次の通りであった。 乾物:Y=-0.222X+70.9、ヘミセルロース:Y=-0.371X+82.2 4.以上のことから、サイレ-ジ発酵過程において構造性炭水化物の分解が進むと、その消化率は低下し、とくにヘミセルロースにおいて著しいことから示された。
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