1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660305
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 助教授 (10183360)
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Keywords | オ-チャードグラス / ペレニアルライグラス / ドイツアルプス / 生態型 / 高標高地帯 / ミネラル / 切片 |
Research Abstract |
北東北及びドイツアルプスの高標高地から収集し、特性評価試験に供試した系統数はペレニアルライグラス28系統、オ-チャードグラス13系統、トールフェスク6系統、チモシー8系統の合計55系統である。 本年度は最終年であるために採種性及び収量調査も行い、更に採取した試料について消化性、葉部構造形質、ミネラル含有率、水中における葉部横断面からのミネラルの遊離割合を調査した。 葉部構造形質における東日本とドイツアルプスのエコタイプの特性の相違は,1番草では15形質中9形質で,2番草では15形質中10形質で有意差が認められた.2番草の草維管束面積割合以外の形質で東日本の系統が大きな値を示し,両番草とも葉部構造形質が大型であった.可消化有機物含量については1,2番草共に東日本とドイツアルプスの間で有意な差はみられなかった.ペレニアルライグラスで個体選抜を進める際,消化性の遺伝子型間の差は大きくないことから,消化性の重要性は低いと考えられる. 牧草中のミネラル含有率で日本とドイツの系統間比較を行った結果,ペレニアルライグラスではMg含有率と当量比で日本の系統が高く,Ca含有率ではドイツの系統が高かった.オ-チャードグラスでは,日本とドイツの系統間に有意差は認められなかったが,平均値ではMgを除く全ての成分で日本の系統が高い値を示した.牧草中に含まれるミネラルの家畜による利用率を図る1つの指標として,蒸留水中における牧草組織からのミネラルの遊離程度を調べた結果,Kが最も高く,Cl,Ca,Pが続いた.P,S,Mgは遊離割合が低い元素であり,Siに至ってはほとんど遊離しなかった.また,品種系統間での遊離のし易さに対する明瞭な差は認められなかった。
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[Publications] S.Saiga,A.Hiraga,K.Ihjima,and K.Watanabe: "Characteristics of Perennial Ryegrass (Lolium perenne L.) Ecetypes Collected from Alpine and Subalpine Regions in Northeastern Japan and in Southern Germany." Grassland Science.42(印刷中). (1996)