1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660325
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 孝雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩澤 淳 岐阜大学, 農学部, 助手 (90242742)
土井 守 岐阜大学, 農学部, 講師 (60180212)
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Keywords | プログラム細胞死 / 核の凝縮化 / グルココルチコイド / ファブリシウス嚢 / DNAの断片化 |
Research Abstract |
多細胞生物の個体発生の過程では多くの細胞が細胞死によって除去される。また、生体においても臓器を構成する細胞は常に増殖と死のバランスを保ちながら、その機能を維持している。これは個体を正常に発生させ、維持していくために予め個体の遺伝情報に組み込まれている予定されている死であり、プログラム細胞死(progurammed cell death)である。 本研究ではニワトリの免疫器官の一つであるファブリシウス嚢を供試し、グルココルチコイドやその誘導体であるデキサメタゾンを投与した際に認められるファブリシウス嚢の形態的並びに生化学的変化の特徴を追求し、プログラム細胞死の機構を解明することを目的とした。現時点で本研究から得られた知見は (1)グルココルチコイド処理によりニワトリのファブリシウス嚢は、完全に退縮し、組織は縮小並びに核の凝縮化が認められた。 (2)実験1において、核の凝縮化が認められたファブリシウス嚢より、核DNAを抽出しアガロース電気泳動法によりDNAを経時的に観察した結果、処理1時間後より染色体DNAの断片化が進行し、泳動上のバンドが約200bpを単位として、その整数倍の位置に梯子状に存在する像(ラダーパターン)を確認した。これは活性化されたエンドヌクレアーゼがリンカーンとよばれる部分に作用して、この部分のDNAを切断したもので、完全なアポトーシスであるといえる。 (3)さらに、処理したニワトリのファブリシウス嚢からmRNAを抽出し、ウサギの網状赤血球の翻訳系を用いてタンパク質を合成した。これを試料としてSDS-ポリアクリルアミド電気泳動法により合成タンパク質の変化を調べた結果、特異的なタンパク質の存在を確認した。これはアポトーシスがこれらのタンパク質をコードしている遺伝子によって制御されていることを示す有力な証拠である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakamori,T.,Nakamura,T.& et.al.: "Effects of glucocorticoid hormones on the system for the synthesis of adrenocortical hormones." Proc.Jap.Soci.Comp.Endocrinol.No.8. 7 (1993)
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[Publications] Ohono,A.,Nakamura,T.& et.al.: "Immunohistochemical demonstration of melatonin in the pineal gland of the chicken." Proc.Jap.Soci.Comp.Endocrinol.No.8. 35 (1993)
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[Publications] Yonetani,K.,Nakamura,T.& et.al.: "Effects of steroid hormone on gonads development in embryonic and postembryonic chickens." Proc.Jap.Soci.Comp.Endocrinol.No.8. 41 (1993)
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[Publications] Doi,O.,et.al: "Ontogenetic aspects of steroidogenesis by gonads of ducks and its role in sex differentiation." Asian-Australasian J.Animal Sci.7(No.1). 49-55 (1994)
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[Publications] Iwasawa,A.,et al.: "Time-resolved fluoroimmunoassay(TR-FIA)of gonadotropins." Experimental and Clinical Endocrinol.102. 40-44 (1994)