1993 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリの卵巣細胞におけるホルモン分泌と遺伝子発現
Project/Area Number |
05660326
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
友金 弘 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30023493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛭薙 観順 名古屋大学, 農学部, 助手 (00126898)
島田 清司 名古屋大学, 農学部, 教授 (40065579)
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Keywords | プロスタグランジン / 卵胞膜内細胞 / 卵胞膜外細胞 / 顆粒膜細胞 / テストステロン / エストラジオール / P450アロマターゼ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
ニワトリ卵巣細胞におけるホルモンには性ステロイドホルモン、プロスタグンジン、インヒビン、後葉ホルモンが著名なものとしてあげられる。現在のところ、前二者の生理的作用はよく知られるようになってきたが他は未だ不明である。本研究は、(1)ニワトリ卵巣細胞におけるステロイドホルモンの合成分泌・遺伝子発現調節を明らかにするため、卵巣細胞を内卵胞膜細胞層、外卵胞膜細胞層に分離し、さらに消化酵素処理して各層を遊離細胞とし、それぞれのヒツジLH、8-bromo-cyclic AMP(PKA系セカンドメッセンジャー)及びphorbol 12-myristate 13-acetate(PMA、PKC系セカンドメッセンジャー)に対する性ステロイド産生反応(投与後4時間培養)を検討した。内卵胞膜細胞においては、LH、C-AMP及びPMA投与に対し、テストステロン量は増したが、エストラジオール量は変化しなかった。外卵胞膜細胞層ではLHとC-AMPの供用投与に対してのみ、テストステロン及びエストラジオールが増加した。また、この時のP450アロマターゼmRNA量も増加した。この結果より、性ステロイド産生に対するLHの促進効果はPKA及びPKCを介し、性ステロイド合成酵素遺伝子発現を促進すると考えられた。(2)プロスタグランジン量の放卵周期における変動を検討したところ、顆粒膜細胞層においては排卵前5日から排卵直前の卵胞では著しい変動はみられなかったが、卵胞膜細胞層においては卵胞成長に伴い、徐々に増加し、排卵直前(放卵時)に排卵前及び排卵後最大卵胞膜においてピーク値を示した。この結果より、両卵胞膜層のプロスタグランジンが放卵時の子宮収縮に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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[Publications] Ohkubo,T.,Tanaka,M.,Nakashima,K.,Shimada,K.: "High-level expression of biologically activechicken prolactin in E.coli." Comparative Biochemistry & Physiology. 105A. 123-128 (1993)
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[Publications] Uchiyama,M.,Saito,N.and Shimada,K.: "Pituitary and plasma arginic vasotocin levels in the lamprey,Lamperta japonica." Comparative Biochemistry & Physiology. 107A. 23-26 (1994)
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[Publications] Tomogane,H.et al.: "A factor(s) from a rat trophoblast cell line inhibits prolactin secretion in vitro and in vivo." Biol.Reprod.48. 325-332 (1993)
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[Publications] K.,Shimada,Ohkubo,T.,Saito,N.,Talbot,R.: "Avian Endocrinology" Journal of Endocrinology Ltd., 13 (1993)
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[Publications] N.,Saito,Shimada,K.and Koike,T.I.: "Avian Endocrinology" Journal of Endocrinology Ltd., 8 (1993)