1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660337
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 惇 東北大学, 農学部, 教授 (60007680)
|
Keywords | めん羊 / 骨格筋 / 筋線維型 / 荷重負荷 / 酵素組織化学 / 肉質 |
Research Abstract |
家畜の骨格筋線維は酵素組織化学的方法によりI型とII型筋線維に大別される。荷を腰部に背負わせて飼育し荷重負荷させためん羊の骨格筋において、筋線維型の変化(II型→I型)が生じうるかについて調べた。 成めん羊6頭(生体重:61〜70kg)を用い、約20kgの錘を腰部に吊るして、60〜130日間飼育した。対照として成めん4頭(生体重:56〜70kg)を用いた。腰最長筋の筋材料は、実験前に生検により採取し、実験後再度採取した。また、大腿直筋、半膜様筋、半腱様筋の浅部と深部から筋材料を採取した。筋線維は、酵素組織化学的ミオシンATPaseの反応により染色し、この反応の違いにより筋線維をI型、II型および中間型に分類して、これらの筋線維型の割合と太さを求めた。 腰最長筋では、I型筋線維は、実験前で6.4%であるが、実験後では8.9%と僅かに多く、II型筋線維は逆に少なかった。II型からI型筋線維への移行型とみなされる中間型筋線維は、実験後で1.9%から3.3%に増加した。I型筋線維の径は太くなったが、II型筋線維は細くなる傾向を示した。大腿直筋では実験後、浅部でI型が7.8%から17.5%、中間型が0.1%から4.5%、深部でI型が69.8%から79.3%、中間型が0.2%から7.5%に増加した。半膜様筋および半腱様筋の浅部と深部ではI型筋線維の割合の変化はみられなかったが、中間型筋線維は僅かながら増加した。大腿部の3筋の筋線維型の径は、一般に増加する傾向がみられた。荷重負荷によるI型筋線維の増加および中間型筋線維の増加は、荷重負荷に対する適応によりII型筋線維の一部がI型筋線維に変化することを示す。このように筋線維型構成は変化することが分かったので、今後は、飼育状態の改良を加えて、肉質の嗜好性に係わるI型筋線維を増加させる飼育管理の確立を目指すため、この研究の継続が必要である。
|
Research Products
(1 results)