1993 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換法により作出した発光性細菌を用いる新しい残留試験法
Project/Area Number |
05660367
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
近藤 房生 宮崎大学, 農学部, 教授 (40145404)
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Keywords | 発光性細菌 / Photobacterium phosphoreum / 残留試験法 / 形質転換 |
Research Abstract |
市販のルシフェラーゼ・アッセイ用ベクター遺伝子(luciferase geneを組み込んだPUC由来Plasmid)を用いて、遺伝子導入法(ジーンパルサー法)により、繰り返しBucillus subtilis ATCC-6633、Micrococcus luteus ATCC-9341、およびEscherichia coli NIHJの形質転換株を作出する努力をしたが、現在のところ安定的に発光する形質転換株の作出に成功していない。形質発現の遺伝子部を他の菌種の染色体DNA中に安定的に組み込むことはそれほど容易ではなく、偶然の要素もある。従って、同様の実験を繰り返し行う必要があると判断し、今後も同様の実験を継続する予定である。 そこで平成5年度は、上記実験と併行して、残留抗菌性物質の微生物学的検査法の新しい試験菌として有望視されているユニークな発光性細菌であるPhotoba-cterium phosphoreum(P.phosphoreum)の分離試験を精力的に行った。今回は以前とは分離法を変更し、同菌の分離が容易である市販のイカ類を多数購入して、薬剤に感受性の菌を検出することを主目的に、本菌の分離用培地の表面にイカ試料を一面に塗抹後、グラム陰性菌に抗菌活性を示すポリミキシンB、クロラムフェニコールおよびアンピシリンを50mug/ml含有する各Paper Disc(10mm径)を置いて好気培養(15℃、24時間)した。培養後それらのDIsc周囲に出現する阻止円径の出来るだけ大きい、すなわち高感受性を示し、かつ発光性菌の分離を主眼に行った。そして感受性の候補として53株のP.phosphoreumを分離した。現在、すでに保存中の分離・同定したP.phosphoreum菌と今回分離した同菌株、および従来法の試験菌であるBacillus subtilis ATCC-6633、Micrococcus luteus ATCC-9341およびBacillus stearothermophilus var.caridolactisなどを用いて、各種抗菌性物質の標準溶液について薬剤感受性を比較検討中である。
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