1995 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換法により作出した発光性細菌を用いる新しい残留試験法
Project/Area Number |
05660367
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
近藤 房生 宮崎大学, 農学部, 教授 (40145404)
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Keywords | Plasmid DNA / 形質転換 / 残留抗生物質 / E.coli / 微生物学的測定法 |
Research Abstract |
平成7年度は、薬剤耐性遺伝子の形質転換株を用いる微生物学的簡易試験法による残留検査の検討を実施した。形質転換用の遺伝子として、Kanamycin(KM)耐性Escherichia coli(plasmid pHSG298),Chloramphenicol(CP)耐性E.coli(pHSG396),およびAmpicillinおよびTetracyclin(ABPC & TC)耐性E.coli(pHY300PLK)の3種類を用いて、4種類のことなるcompetent E.coli細胞に塩化カルシウム法により形質転換試験をおこなった。得られた各々の形質転換株について、22種類の抗生物質に対する最小発育阻止濃度(MIC)を調べたところ、KM耐性E.coliはフラジオマイシンのみに交差耐性を示し、さらに、CP耐性E.coliは、とくにHB-101とJM109株は、チアムフェニコールのみに交差耐性を認めた。一方、ABPCとTCに耐性を示すE.coliは、数種類のペニシリン、テトラサクリンおよびマクロライド系抗生物質類に交差耐性を示した。本実験において、最も感受性の高かったE.coli ATCC27166株は、8種類の主要抗生物質に対するディスク拡散法によって比較したところ、阻止円径のパターンから3グループに分類された。ゲンタマイシンのみはどの耐性株からも影響を受けなかった。これらの薬剤耐性遺伝子の形質転換株を用いる残留試験法は、食品中の残留抗生物質のスクリーニングに有用であると診断された。
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[Publications] 吉田健一、近藤房生: "薬剤耐性菌を用いる残留抗生物質の微生物学的簡易同定法" 日本食品衛生学雑誌. 35. 543-547 (1994)
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[Publications] Kenichi Yoshida & Fusao Kondo: "A simple classification method for residual antibiotics using E.coli cells transformed by the calcium chloride method and drug resistance plasmid DNA" Microbios. (発表予定).