1994 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳期和牛子牛のコクシジウム症予防におけるセレニウムの効果
Project/Area Number |
05660369
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
片本 宏 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80183557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 和美 大阪府立大学, 農学部, 助手 (70211935)
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Keywords | 和牛子牛 / 下痢症 / セレニウム / α-トコフェロール |
Research Abstract |
平成5年度に哺乳期和牛子牛の下痢症に関する調査を実施した結果、下痢を発症した子牛とその母牛の血清セレニウム(Se)およびビタミンE(VE)濃度は、対照子牛およびその母牛に比べそれぞれ低い傾向を示した。また両群の母牛の血清Se濃度は、最近の他の報告と同様に低値であり、牛における欠乏値(<30ng/ml)の範囲にあった。よって平成6年度には、妊娠母牛24頭をSe・VE投与群12頭と無投与の対照群12頭に分け、Se・VE投与群には分娩予定1カ月前より分娩1カ月後までSe 2mg/headおよびVE 1,000 I.U./headを飼料に添加して連日給与し、母牛と子牛の血清Se・VE濃度に及ぼす影響および子牛の下痢症予防に対する効果について検討を行った。その結果、Se・VE投与群の母牛の血清SeおよびVE濃度は、分娩時〜分娩1カ月後まで対照母牛に比べ有意に高い値を示した。またSe・VE投与群の子牛の血清Se濃度は、出生時〜1カ月後まで対照子牛に比べ有意に高い値を示した。子牛の血清VE濃度は、出生1週間後において、Se・VE投与群で対照群に比べ高い傾向が見られた。初乳中のSeおよびVE濃度は、Se・VE投与群で対照群に比べ有意に高い値を示した。子牛好中球のNBT還元能において、出生1カ月後のP(phagocyting)値が、Se・VE投与群の子牛で高い傾向が見られた。子牛血清IgG濃度は、出生後〜1カ月後にかけ両群間に差は認められなかった。出生1カ月後までに下痢を発症した子牛は、Se・VE投与群で5頭、対照群で6頭であった。出生1カ月後までの子牛の増体量(D.G.)は、雌雄ともにSe・VE投与群で高い傾向が見られた。以上の結果より、哺乳期和牛子牛へのSeおよびVE補給の方法として、分娩1カ月前〜分娩1カ月後までの間母牛にSe・VEを飼料添加することは有効であることが明らかになった。また子牛の下痢症に対する明らかな予防効果は認められなかったが、今後さらに母牛への投与量および投与期間について検討が必要と思われた。
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