1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660373
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
左向 敏紀 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (70153971)
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Keywords | 乳牛 / リポ蛋白リパーゼ / 乳脂率 |
Research Abstract |
1.乳牛におけるLPL測定法の検討 LPL活性は通常、ヘパリン等の多糖体硫酸の静脈内注射後血液中に酵素活性が現れるためにPost heparin lipolytic activity(PHLA)といわれる。【.encircled1.】ヘパリンの投与量、【.encircled2.】ヘパリン投与後の採材時間について検討した。ホルスタイン種乳牛は本学付属牧場および愛媛県酪農家に繋留されている泌乳牛9頭、乾乳牛1頭、育成牛3頭の合計13頭を使用した。 ヘパリン投与量は10単位/kgがよく、ヘパリン投与後のLPL活性の値は2〜4分後に最高値を示した。LPL活性用のサンプルは最高値をすぎたヘパリン投与後5分値がよいと考えられた。 2.乳牛の乳期別LPL活性 本学附属牧場の15頭のホルスタイン種を泌乳初期、中期、後期、乾乳期および育成牛各群3頭ずつ5群に分け測定した。泌乳初期、中期、後期の泌乳期のLPL活性値(0.108±0.0277mumol FFA/ml/min.)は乾乳期(0.058±0.0020mumol FFA/ml/min.)に比較し有意な高値を示した。また育成牛は0.005±0.002mumol FFA/ml/min.と極度に低い値を示した。 LPL活性値はヘパリン静注前TG値と有意な負の相関が認められ、またLPL活性値は乳脂率および血漿インスリンと正の相関も認められた。このことから泌乳期はLPL活性が高く、血漿中のTGは乳腺に取り込まれ低値であり、乳脂率にLPL活性が影響することが考えられた。 3.LPL活性と乳脂量、率および305日乳脂量の関係 愛媛県下酪農家に繋留されている泌乳牛40頭、乾乳牛16頭を用い調査した。LPL活性は乳量および乳脂量と正の相関を示した。また、乾乳期のLPL活性値は前産次の305日乳量、乳脂量と正の相関を示した。このことから、乾乳期LPL活性を測定することで泌乳能力の推定が可能と考えられた。
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