1994 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモンの合成と代謝機構の細胞化学的研究
Project/Area Number |
05670015
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Research Institution | The University of Tokushima School of Medicine |
Principal Investigator |
石村 和敬 徳島大学, 医学部, 教授 (90112185)
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Keywords | 5αリダクターゼ(水素添加酵素) / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 / ステロイドホルモン / 下垂体 / 性腺 / 副腎 / 一酸化窒素(NO)合成酵素 |
Research Abstract |
1)5αリダクターゼ(水素添加酵素)のN末端側16個のアミノ酸からなるポリペプチドを合成して、これに対するポリクローナル抗体を作成し、この抗体を用いてラットの種々の組織について免疫組織化学を行った。この結果次のことがわかった。(1)下垂体では性腺刺激ホルモン分泌細胞が陽性を呈し、去勢によって反応が増強した。(2)副腎では、皮質細胞が陽性を呈した。ここでも、去勢によって反応が増強した。(3)前立腺のうち、腹側及び背側前立腺では、大多数の上皮細胞に陽性反応が認められた。ただし、外側前立腺は陰性であった。去勢を行うと、陽性の上皮細胞の数が減ったが、陽性細胞の染色強度はむしろ増強した。電子顕微鏡レベルの免疫組織化学で、5αリダクターゼの存在を示す反応産物は粗面小胞体の膜に認められた。このことから、5αリダクターゼが小胞体膜に存在することが形態学的に初めて明らかになった。(4)これらの陽性細胞がそれぞれの場所においてジヒドロテストステロンやジヒドロプロゲステロンをつくっているものと考えられる。その生理的な意義については、ステロイドホルモンの受容体の局在との関係を含めたさらなる研究が必要である。 2)ラット2型5αリダクターゼの抗体も作成したが、1型との交叉反応が認められたためにペプチドの段階からつくり直すこととした。 3)ヒトの陰茎海綿体について、一酸化窒素(NO)合成酵素の局在を組織化学的に検索し、同時にチロシン水酸化酵素とVIPの局在を免疫組織化学に検出して比較したところ、チロシン水酸化酵素とNO合成酵素、あるいはVIPとNO合成酵素の共存がかなりの頻度であること、またこれらの3つとも共存することもあることを見いだした。陰茎の勃起に対して、これらの神経が役割をもっていることが考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ichimura,K.: "Immunocy to chemical localization of prostaglandin endoperoxide synthase in the bovine intestine." Histochemistry. 99. 485-490 (1993)
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[Publications] Yoshinaga,Hirabayashi,H.: "Electron microscopic immunocytchemistry on the colocalization of ATP-synthase and cytochrome P-450 of side- chain cleavage enzymes" Arch.Histol.Cytol. 56. 225-229 (1993)
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[Publications] Tsuruo,Y.: "Biochemical and Histochemical Studies of the effects of cerebral metabolism-improving drugs on NADPH diaphorase activity in mouse brain." Jpn.J.Pharmacol.65. 285-288 (1994)
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[Publications] Tsuruc,Y.: "Immunocytochemical localization of aromatase-containing neurons in the rat brain during pre-and postnatal development." Cell Tissue Res.278. 29-39 (1994)
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[Publications] Tamura,M.: "Coexistence of nitric oxide synthase,tyrosine hydroxylase and vasoactive in testinal polypeptide in human penile tissue." J.Urol.153. 530-534 (1995)
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[Publications] Tsurno,Y.: "Presence of estrogen receptors in aromatase-immunoreactive neurons in the mouse brain." Neuroscience Lett.(in press). (1995)