1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670019
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
加藤 征治 大分医科大学, 医学部, 教授 (60034956)
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Keywords | リンパ管 / 酵素組織化学 / 5'-nucleotidase / 血管 / Alkaline phosphatase / 微小循環 / 発生 / Diaminopeptidase |
Research Abstract |
リンパ管の発生に関する組織化学的研究 1.リンパ管の個体発生:ラットの胎児・新生児・成体の各組織(胃・腸管および腸間膜・横隔膜)の毛細リンパ管の出現状況や微細分布を器官形成や毛細血管の発生との関係に焦点をしぼって調べ、摂食や呼吸等の機能の発達に伴い急速にリンパ管が太くなり、リンパ管網が発達することが明らかとなった。 2.リンパ管の新生実験:創傷治癒あるは皮膚移植における生着あるいは脱落時の皮膚組織(皮下)のリンパ管の分布や構築を調べた。これら皮下組織において、5'-Nase活性の高いリンパ管やALPase活性の高い血管が多く認められ、両脈管は組織破壊・新生の活発な部位では間質中に滲出した組織液の排導に働いている。 3.リンパ流の遮断(胸管結紮)実験:腹部胸管結紮によりリンパ流を遮断すると腸管壁や腸間膜のリンパ管の拡張が起こり、中心リンパ管内皮の5'-Nase染色性が低下する傾向を認めた。これらの事実はリンパ管内皮の本酵素は主として物質吸収に関与していることを示唆している。 4.培養リンパ管内皮細胞の増殖:サル胸管からコラゲナーゼ処理法を用いて、内皮細胞を採取し、リンパ管内皮細胞の培養を試みた。増殖中の培養内皮細胞の性状とくに5'-Nase活性の変化は極めて興味深いものである。現在、生理的活性物質(内皮細胞成長因子)との関連性やコラーゲンゲルを用いた管腔形成機能について検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kato,S.,Itonaga I.,Ji,R.C.& Miura M.: "Engyme triple staining for differentiation of lymphatics from venous and arterial capillaries" Lymphology. 29 (in press). (1996)
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[Publications] Kato,S.: "The thymic microvascular system" Microsc.Res.Tech.(in press). (1996)
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[Publications] Fujiwara,T.,Kato,S.Itonaga,I etal.: "Fine structure and distribution of lymphatics in the synovial membrane of monkey and human knee joints" International Orthopeadics (SICOT). 19 (in press). (1995)
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[Publications] 加藤征治: "リンパ管の組織化学" 病態生理. 14. 660-667 (1995)
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[Publications] 加藤征治: "毛細リンパ管網の臓器特異性" 医学のあゆみ. 172. 378-379 (1995)
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[Publications] 加藤征治: "組織学-組織化学的アプローチ分担第5章脈管" 朝倉書店,東京, 37-43 (1996)