1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670023
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安澄 文興 琉球大学, 医学部, 教授 (10009665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 一茂 琉球大学, 医学部, 助教授 (80117415)
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Keywords | 精子発生 / 細胞膜 / 細胞質橋 / 細胞化学 / 横紋線維 |
Research Abstract |
本実験で用いた軟体動物・中腹足類のカワニナの造精細胞における細胞質橋は、直径1mum、厚さ250nmの円盤状を示し、細胞膜の内葉には他の生物と一致した電子密度の高い裏打ち構造を有する。また円盤のほぼ全周にわたって横紋構造が付随する。 これまでに得られた結果で、細胞質橋の分離を従来 Nonidet P-40の非イオン性界面活性剤で行ってきた。この方法ではDNA標本(染色体)、細胞質橋複合体、精子細胞の鞭毛が遺残する。細胞質橋の分離と観察には、精子発生で最も多数を占める精子細胞からの分離が必要で、鞭毛の除去を目指している。 今年度の得られた結果として、細胞破砕機による鞭毛除去は未だ充分な成績は収めていないが、ある程度の細胞質橋観察の頻度は向上している。細胞破砕処理後に、Nonidet P-40に浸漬した標本で、1例ではあるが横紋構造が、2つの細胞質橋を結合するという知見が得られた。このことは、数百にも達する精子細胞が単に分裂時の分布状態を維持するのではなく、セルトリ細胞(栄養細胞)に対して能動的な配置を執ることが類推される。 界面活性剤の種類と濃度については、その判定に苦慮しているところであるが、脂質要素である橋の細胞膜と、タンパク質成分と考えられる横紋構造を切り離して考え、先ず脂質要素の分離に重点を置いている。非イオン性界面活性剤 Triton N,X 系統について実験を行ってきたが、現在まで至適条件は得られていない。
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