1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670025
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
曽爾 彊 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (50056925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 美晴 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70094365)
黒野 智恵子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50080049)
堀田 康明 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90117854)
馬渕 良生 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80106228)
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Keywords | ラット / 下垂体前葉 / 濾胞星細胞 / 細隙結合 / S-100蛋白質 / ラトケ遺残腔 / 固定条件 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
下垂体前葉における濾胞星細胞(folliculo-stellate cell)と濾胞の関わりについては支持細胞説、幹細胞説等、従来から多くの説明がなされてきたが、未だに定まっていない。これは、この細胞が各種の実験状態でほとんど形態学的な変化を示さないためであろうと考えられる。一方、哺乳類の下垂体前葉には、分泌をコントロールするための神経は未だに証明されていない。我々は、この濾胞星細胞が互いに細隙結合でつながれており、濾胞間にも細隙結合が多く見られることを示し、この細隙結合が各種の生理的条件下で変化することを示した。また、下垂体前葉には濾胞星細胞の網工があり、全体として、一種の生理学的な合胞体を形成している可能性を示した。これらのことは濾胞、あるいは濾胞星細胞が下垂体前葉の分泌に直接関わりを持っていることを示している。このような視点から次のことを明らかにしたいと思い、研究を開始した。 (1)未だに濾胞一つの電顕的な立体構築が明らかにされていないので、濾胞の電顕的な立体構築を明らかにする。(2)濾胞星細胞には膜酵素の局在があるが、立体構築を明らかにした上で、各種酵素の立体的局在を明らかにする。(3)濾胞星細胞とホルモン活性細胞との関係を抗体電顕法を利用して明らかにする。(4)光顕による連続切片法により、下垂体前葉における濾胞網工を明らかにする。(5)濾胞星細胞が下垂体前葉の分泌機能にどの様に関わっているかを明らかにする。 研究結果については、“Immunohisto…"の論文名でTissue and Cell誌に、“Intercellulara…"の名でAnat.Rec.誌に、また、“Septate…"の論文はTissue and Cell誌の最新号に発表した。
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[Publications] Soji,T.: "Intercelular communicaton with the rat anterior pituitary gland.V.Changes in cell-to-cell communications as a function of the ……" Anat,Rec.235. 577-582 (1993)
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[Publications] 黒野智恵子: "電子顕微鏡の前固定におけるpHと浸透圧の影響、特に下垂体前葉に対する影響" 解剖学雑誌. 68(6). 787- (1993)
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[Publications] 黒野智恵子: "ラット下垂体前葉の前固定での浸透圧の影響とそこで観察された“Septate Junction"" 解剖学雑誌. 69(1). 82- (1994)
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[Publications] 馬渕良生: "ラット下垂体前葉の洞様毛細血管の生後発生" 解剖学雑誌. 69(1). 82- (1994)
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[Publications] Soji,T.: "Immunohistochemical study of the post-natal development of the folliculo-stellate cells in the rat anterior pituitary gland." Tissue and Cell. 26(1). 1-8 (1994)
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[Publications] Kurono,C.: "Septate-like junctions in the normal male rat pituitary gland." Tissue and Cell. 26(6). 913-916 (1994)