1994 Fiscal Year Annual Research Report
Steroid Sulfatase活性の局在と発現およびその異常
Project/Area Number |
05670031
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
相川 英三 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40048989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 展子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30075428)
神田 尚俊 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40075429)
中沢 倶子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40075437)
西川 恵 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80120020)
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Keywords | Steroid sulfatase / arylsulfatase C / in situ hybridization / 酵素組織化学 / 分子生物学 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
Steroid sulfatase(STS)は、ステロイド ホルモン合成に作用する酵素である。近年、STSの遺伝子レベルでの解明が急速に進み、STS-geneの存在部位は、LyonらのX inactivationをescapeすることなどが解かってきた。また、STSにより合成されるestradiolなどステロイド ホルモンの、細胞増殖、分化、発生に及ぼす影響が報告されつつあるが、本酵素の器官内分布、細胞レベルでの活性や機能については明らかでない。われわれは、電顕レベルでの組織化学的検出法、免疫化学的方法で、STS活性局在と機能について明らかにすることを目的とし、昨年度は、STS cDNA(exon 10)をprobeとしたin situ hybridization法を導入し、STSの局在をmRNAで観察することを可能にした。本年度は、STSのcentral dogmaの解明に向けて、ヒトSTS cDNA cloneから酵素活性をもつ2.4Kbの一部分のSTS peptideをMAP法にて合成し、STS peptide抗体を作成した。この結果、腎では、皮髄境界に強い局在を認め、ステロイド ホルモンの産生、標的組織として注目されているproxymal tubule、proxymal convoluted tubule、あるいは、糸球体のepithelial cell、Bowman's capsuleの一部にSTSが関与することが明らかとなった。本研究の一部は、US-Japan Histochemistry(1994年)で発表した。子宮においては、子宮内膜のfibroblast、子宮腺上皮にSTS活性が認められた。副腎網状体、肝細胞でもmRNAが発現している。STS cDNA(exon 10)をprobeとして用いたnorthern technicによる結果では、9.2-2.7Kbの間に5つのbandが認められ、splicingの差により,各組織のSTSの活性が規定される可能性があり,これについても研究を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nisikawa,T.Nakazawa,N.Kanda,E.Aikawa,: "Distribution of steroid sulfatase in the kidney visualized by in situ hybridization and enzyme-histochemistry." J.Histochem.Cytochem.42. 1013 (1994)
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[Publications] 西川恵、鈴木利昭、西村英樹、佐中孜、相川英三、二瓶宏: "透析患者の多核白血球に対するサイトカインの影響。" 腎とフリーラジカル. 2. 230-233 (1994)
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[Publications] 西川恵、西村英樹、神田 尚俊、相川英三: "自己免疫疾患の分子生物学的アプローチ 腎炎・腎症" Modern Physician. 14(12). 1500-1503 (1994)
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[Publications] T.Nakazawa,M.Nisikawa,E.Akikawa,M.Mato: "Localization of lipids and lipoprotein in perivascular FGP cells of rat cerebellar cortex." Acta Histochem Cytochem. 27(4). 323-330 (1994)
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[Publications] 中沢 倶子、西川 恵、相川 英三: "ヒト子宮におけるarylsulfatase C活性の局在" 日本解剖学会第100回総会記念全国学術集会プログラム・予稿集. 190 (1995)
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[Publications] M.Nisikawa,T.Nakazawa,N.Kanda,E.Aikawa,H.Toma: "ULTRASTRUCTURAL DISTRIBUTION OF STEROID SULFATASE ACTIVITY AND mRNA IN THE HUMAN KIDNEY" Microscopy and Microanalysis. 112-114 (1995)