1993 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管細胞におけるATP受容体依存性Caチャネルの電気生理学及び光学的解析
Project/Area Number |
05670038
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河原 克雅 千葉大学, 医学部, 講師 (70134525)
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Keywords | 新生児ラット / 腎集合管 / 抗利尿ホルモンV2受容体 / 細胞内Ca / ATP受容体 / Caチャネル / K選択性チャネル |
Research Abstract |
新生児ラット(生後0-14日)腎臓の組織標本を作製し、尿細管の分化・発達の日変化を調べた。生後1日以内では、皮質部(主に近位尿細管)が断面積の80%を占め、髄質部(主に集合管)の発達は遅れていた。その後、髄質部の割合が増加し、生後7-14日で、ほぼ同面積になった。従って、腎集合管は、出生後から生後7日目にかけて急速に発達することがわかった。第二に、髄質部集合管の組織像を検討した。生後2日目の髄質部集合管には合流部が見られ、尿の生成・排泄機能が働いていると推定された。新生児ラット腎は、成人ラット腎に比べ、間質部の割合が大きかった。第三に、抗利尿ホルモンV2受容体の蛍光抗体を用い、新生児ラット腎集合管でのV2受容体の発現を調べた。コラゲナーゼ処理直後の単離集合管には、強い蛍光が見られたが、培養1日後の細胞では蛍光量が減少し、膜表面からのV2受容体蛋白が脱落したと思われた。以上の結果を総合すると、出生後早期(0-7日)に腎集合管の基本構造が完成し、イオン輸送能及びその調節系(抗利尿ホルモン受容体)を持つことがわかった。 次ぎに、生後0-3日のラット腎集合管を用い、どのようなイオンチャネル蛋白が発現しているかを調べた。cell-attached patch及びinside-out patchで、K選択性チャネル(約150pS)を見つけた。このチャネルの活性は、静止膜電位及び高K溶液で脱分極させた場合も小さく、開確率(p)はp<0.01であった。開確率は、細胞内Caが増加するような条件でのみ活性が増加した。 平成6年度は、ATP受容体及びCaチャネルの発現と尿細管における分布を調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawahara,K.: "A stretch-activated cation channel in the apical membrane of A6 cells." Jpn.J.Physiol.43. 817-832 (1993)
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[Publications] 河原 克雅: "細胞容積調節におけるイオンチャネルの役割" Clinical Neuroscience. 11. 223 (1993)
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[Publications] 河原 克雅: "腎尿細管伸展活性化チャネルの生理学" 日本臨牀. 51. 2201-2208 (1993)
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[Publications] 河原 克雅: "パッチクランプ法による腎尿細管イオン輸送研究" 千葉医学. 69. 141-147 (1993)
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[Publications] 河原 克雅: "腎機能:その正しい評価" 東京医学社, 560 (1993)
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[Publications] 河原 克雅: "Annual Review腎臓 1993" 中外医学社, 249 (1993)