1994 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管細胞におけるATP受容体依存性Caチャネルの電気生理学及び光学的解析
Project/Area Number |
05670038
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Research Institution | Chiba Univ. |
Principal Investigator |
河原 克雅 千葉大学, 医学部, 助教授 (70134525)
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Keywords | 新生児ラット / 腎髄質内層集合管 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 細胞外ATP / 細胞内Ca / 核膜 / IP_3 / P_2受容体 |
Research Abstract |
新生児ラット(生後2-10日)腎髄質内層集合管細胞にカルシウム蛍光指示薬(Fluo-3)を負荷し、細胞外ATPによる細胞内カルシウム増加を共焦点レーザー顕微鏡で調べた。ATP投与前の細胞質内、核内蛍光強度はほぼ同レベル(核19、細胞質18)であった。ATP投与後、2-5秒で蛍光強度は増加を開始し、約5-15秒で最大値を示した。細胞質内、核内蛍光強度増加は、ほぼ同じ時間経過を示したが、核内蛍光強度の方が細胞質内蛍光強度より大きく増加した。。このため、蛍光強度の比R(核内/細胞質内)は、1.02から1.71になった。細胞外ATPに反応する細胞数と蛍光強度の増加はATP濃度依存性に増加したが、ピークのR値はATP濃度に依存しなかった。(1.6(2μM ATP)と1.7(100μM ATP))。細胞外OmMCaの条件下での、細胞外ATPによる細胞内カルシウム増加反応は、細胞外にCaが存在する場合とほぼ同様の反応を示した。このことから、細胞外ATPによる細胞内カルシウム増加には、細胞外カルシウムを必要とせず、細胞内ストアから放出されるカルシウムが重要であることがわかった。細胞外液OCasによるピークのR値は、1.53(100μM ATP)であった。細胞内カルシウム増加反応は、細胞外高カリウム溶液では惹起されず、電位依存性カルシウムチャネルの関与は小さいと思われる。また、細胞外カフェイン(30mM)投与でも、細胞内カルシウム増加はおこらなかった。さらに、細胞外ADP、AMPにもほとんど反応しなかった。しかし、細胞外UTPは、ATPと同様の細胞内カルシウム増加反応をひきおこした。このことから、細胞外ATPに反応する受容体のサブタイプは、P_<2U>であると推定された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nonaka,T.: "Monovalent cation selective channel inthe opical membrane of rat inner medullary collecting duct cells in primary culture." Biochim.Biophys.Acta. 1223. 163-174 (1995)
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[Publications] Kawahara,K.: "Slow activation of chloride currents during hypotonicity in rabbit proximal convoluted tubule (PCT) cells in culture." Jpn.J,Physiol.44:Sup2. S63-S66 (1994)
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[Publications] Kawahara,K.: "A simple method for continuous measurement of cell height during a volume change in a single A6 cell." Jpn.J,Physiol.44. 411-419 (1994)
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[Publications] Kawahara,K.: "A stretch-activated cation channel in the apical membrane of A6 cells." Jpn.J,Physiol.43. 817-832 (1993)
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[Publications] 河原克雅: "腎尿細管伸展活性化チャネルの生理学" 日本臨牀. 51. 2201-2208 (1993)
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[Publications] 河原克雅: "パッチクランプ法による腎尿細管イオン輸送研究" 千葉医学. 69. 141-147 (1993)
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[Publications] 河原克雅: "Annual Review腎臓1993" 中外医学社, 249 (1993)