1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670055
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小西 真人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20138746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60191798)
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Keywords | 骨格筋細胞 / カルシウムイオン / alpha毒素 / beta-エスチン / 螢光カルシウム指示薬 |
Research Abstract |
静止時細胞内Ca^<2+>濃度を測定する目的で、蛙骨格筋単一繊維にデキストランと結合した蛍光Ca指示薬fura-2を注入した(fura dextran、分子量約1万、Ca^<2+>に対する解離定数0.52muM)。静止状態の筋細胞からfura dextran蛍光を測定した後(17℃)、5muM beta-エスチン(サポニンの一種)により細胞を処理し、細胞膜の透過性を高めた。beta-エスチン処理後、細胞内fura dextranの蛍光はゆっくりと減少し、分子量1万の分子が細胞から徐々に漏出していることが示唆された。一方、低分子(たとえばCa^<2+>)は細胞膜を自由に透過し、細胞外のCa^<2+>濃度を100nM-100muMの範囲で変化させると、fura dextran蛍光は速やかに変化し2-3分で定常レベルに達した。このような方法で細胞内においてfura dextran蛍光信号を校正して静止時Ca^<2+>濃度を計算すると、54nM(平均値)であった。一部の実験は黄色ぶどう球菌のalpha毒素を用いて行い、beta-エスチン処理とほぼ同様の結果を得た。 当初の実験計画ではbeta-エスチンのかわりにalpha毒素をもちいる予定であったが、以下のような理由でbeta-エスチンを主に用いて実験を行った。1.alpha毒素による細胞膜処理の効果が安定して得にくいこと。効果をあらわす濃度・処理時間の細胞によるばらつきが大きい。2.alpha毒素処理した細胞膜を通しての分子の拡散がかなり遅く、細胞内Ca^<2+>濃度を変えるのに時間がかかりすぎること。
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[Publications] Masato Konishi: "Measurement of Resting[Ca^<2+>]〓 in Frog Skeletal Muscle Fibers with Fura-2 conjugated to Dextran" Biophysical Journal. 66. A340 (1994)
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[Publications] 小西真人: "デキストランと結合したfura-2による骨格筋細胞内Ca^<2+>濃度の測定" 第71回日本生理学会大会 予稿集. (1994)