1993 Fiscal Year Annual Research Report
心筋L型Caチャンネルのリン酸化に対する各種Caチャンネル抗体の修飾作用
Project/Area Number |
05670056
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
國分 眞一郎 日本大学, 医学部, 教授 (20153520)
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Keywords | 心筋 / Caチャンネル / リン酸化 |
Research Abstract |
1.ウサギ心筋L型Caチャンネルの遺伝子をステイブルトランスファーして発現させたCHO細胞(CCAR)を用い、パッチクランプの全細胞記録法によりL型Caチャンネル電流をBa電流として記録した。 2.膜電位を-60mVに保持し、パルス幅500msの脱分極刺激を10mV間隔で与えBa電流を測定し、この電流に対するIBMX(10^<-6>M)の効果を検討したところ、すでに心筋Caチャンネルで得られているチャンネルのリン酸化による効果と同様の効果を観察できた。 3.電極内液にCaチャンネルalpha1サブユニットC末端部に対するポリクローナル抗体CR2(100ng〜300ug/ml)を含む液を用いて全細胞記録法を完成後、圧力パルスを用いて抗体を細胞内に注入しようと試みた。細胞内に抗体が注入されたか否かは、蛍光色素Reactive Yellow 2-Dextran (10ug/ml)の細胞内への注入による細胞の蛍光強度(励起光400nm、測定光510nm)の変化から推定した。その結果、60psiで100msのパルスを100ms間隔で20回程度反復刺激することにより、Reactive Yellow 2-Dextran の濃度は電極内濃度の約25%程度になることが判明した。ただし、Reactive Yellow 2-Dextranの細胞内への注入は、それ自体でBa電流を大幅に抑制してしまうことが判明し、色素を抗体と同時注入することが不可能であったので、本研究では抗体のみを電極内液に入れ前述の圧力パルスを用いて実験を行った。 4.CR2注入実験の結果、低濃度のCR2はチャンネルのキネティクスには影響を与えないが、300ug/mlCR2を含む電極内液を用いた場合、25例中3例でBa電流の有為な抑制を見た。
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