1993 Fiscal Year Annual Research Report
一日一定時間に限った運動負荷による体温日内変動の修飾
Project/Area Number |
05670064
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
紫藤 治 金沢大学, 医学部, 助教授 (40175386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 俊成 金沢工業大学, 助教授 (90159004)
田辺 実 金沢大学, 医学部, 助手 (20217110)
櫻田 惣太郎 金沢大学, 医学部, 助手 (00215691)
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Keywords | 体温調節 / 生体リズム / 運動 / 適応 |
Research Abstract |
本年度は、一日の内一定時間のみ限定した運動負荷の繰り返しにより、ラットの自発行動および深部体温の日内変動パターンがいかに変化するか検討した。ハンドリングやケージの移動によるストレスを避けるため運動負荷としてラットの自発輪回し行動を利用した。 1.輪付きケージでラットを飼育し、自由に輪回し行動を行わせた後、ラットを以下の群に分けた。(1)暗期の前半の3時間あるいは6時間、または、暗期後半の3時間あるいは6時間のみ輪回し行動ができる運動制限群、(2)自由に運動できる自由運動群、(3)運動できない非運動群。12日間の運動制限期間後、ラットを再度自由に輪回し運動ができる条件下においた。運動制限群では、かつての輪回し行動ができた時間帯の活動量が運動制限期間前に比し有意に増加したが、他群の輪回し行動量には運動制限期間前後で差はなかった。 2.ラットの腹腔内に深部体温測定用のテレメトリー送信機を植え込み、深部体温の日内変動が安定した後、ラット以下の3群に分けた。(1)暗期の後半6時間のみ輪回し行動ができる運動制限群、(2)自由運動群、(3)非運動群。3週間の運動期間後、運動制限群では暗期後半の深部体温が運動期間前に比し有意に上昇した。他の2群には同様の差異は観察されなかった。 かくのごとく、ラットの輪回し行動を一日の内一定時間帯に限定し、これに馴らすと、輪回し行動および深部体温の日内変動パターンがおよび変化し、かっての運動時間帯に一致して自発行動量が増加し深部体温が上昇することが確認された。以上から、ラットでは一定時間帯に限定った運動負荷の繰り返しにより、運動時間帯に対する記憶が形成される可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shido,O.: "Day-night changes of body temperature and feeding activity in heat-acclimated rats." Physiology and Behavior. (in press). (1993)
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[Publications] Shido,O.: "Fall in body core temperature during the previous heat exposure time in rats after subjection to heat loads for hours at a fixed time daily." Thermal Physiology,Aberdeen. (in press). (1993)