1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670078
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
三木 健寿 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (80165985)
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Keywords | 運動 / 腎交感神経活動 / 動脈圧 |
Research Abstract |
本研究の目的は、運動中の求心性圧情報(頸動脈洞神経活動)及び遠心性交感神経活動(腎交感神経活動、末梢血管抵抗)を同時記録し、運動に対する神経性動脈圧調節系の動的修飾過程を定量化することにある。頸動脈洞神経活動の直接測定により圧受容器レベルでのリセッテイングを明らかにする。頸動脈洞神経および腎交感神経活動の同時測定により中枢性の圧反射修飾機構を明らかにする。これらの結果により、運動による血圧調節系の急性リセッテイングの機構解明を目標とする。 当初の計画では、ラットを用いてトレッドミルにて運動させるものであったが。ノイズ等の技術的な問題点があり、本年度はイヌ自発的な運動時の腎交感神経活動と動脈圧、中心静脈圧、心拍数との関連について検討した。イヌに慢性的にカテーテルおよび電極を留置し、イヌが立つ、歩くなど自発的な運動を行っているときの反応を観察した。 結果、静かに伏せている時の状態を対照とすると、自発的運動時は腎交感神経活動が38±4%上昇した。また、平均動脈圧は、90±1.6から97±1.6mmHg(SE,n=6)に上昇した。心拍数は、104±1.6回/分から118±2.5回/分に上昇した。中心静脈圧は、1.6±0.8から3.2±0.7mmHgに上昇した。 以上の結果から、自発的な運動時には、動脈圧上昇による、心拍数および交感神経活動の抑制が見られず、圧受容器からの情報は、おそらく中枢性に抑制され、圧受容器以外のニューロンネットワークにより交感神経系が刺激されていると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K Miki,Y Hayashida,and K Shiraki: "Absence of acute resetting of carotid sinus baroreceptors during a stepwise increase in carotid arterial pressure in dogs." Jpn.J.Physiol.43. s107 (1993)
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[Publications] 三木健寿、林田嘉朗、白木啓三: "犬の睡眠時の腎交感神経活動と動脈圧調節" 日本生気象学会雑誌. 30. 52 (1993)