1993 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒドロビオプテリン受容体のクローニング及びその機能解析
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05670087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 聡一 京都大学, 医学部, 助教授 (40157706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 治明 京都大学, 医学部, 助手 (80212124)
沢村 達也 京都大学, 医学部, 助手 (30243033)
越村 邦夫 京都大学, 医学部, 助手 (90192575)
眞崎 知生 京都大学, 医学部, 教授 (60009991)
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Keywords | テトラヒドロビオプテリン / ドーパミン遊離 / 細胞内遊離カルシウム濃度 / パッチクランプ / カルシウムチャンネル / 結合実験 |
Research Abstract |
1.〔3H〕ドーパミンでラベルしたラット脳線条体のスライス標本からのドーパミン遊離に対する天然型(6R型)テトラヒドロビオプテリン(6R-BH4)の影響を検討し,6R-BH4が脱分極刺激により誘発されるドーパミン遊離を増加させることを見いだした。 2.天然型(6R型)テトロヒドロビオプテリン(6R-BH4)の〔3H〕標識体を新たに作製し,これを用いてラット全脳から調整した膜分画に対する結合実験を行った。その結果,脳の膜分画には6R-BH4の特異的結合部位が存在することを明らかになった。その結合部位の解離定数(Kd)は21nMであり,最大結合数(Bmax)は550fmol/mg proteinであった。一方、6S-BH4のKdは,6R-BH4のKdに比べて約千倍高かった。 3.Fura 2を負荷した培養神経細胞であるPC12細胞において,6R-BH4の細胞内遊離カルシウム濃度に対する影響を検討し,6R-BH4が細胞内遊離カルシウム濃度の増加をきたすことを明らかにした。 4.延髄の迷走神経背側核の神経細胞にパッチクランプ法を適用し,6R-BH4のチャンネル活性に対する影響を検討した。その結果,6R-BH4が神経細胞の発火頻度の増加をきたすこと,また,内向き電流を誘発することが明らかになった。さらに,カルシウムチャンネル電流に対する影響を検討し,6R-BH4がN型カルシウムチャンネル電流を特異的に増強することを明らかにした。 5.以上の結果より,6R-BH4は神経細胞膜の特異的結合部位に結合することによりN型カルシウムチャンネルを活性化し,細胞内遊離カルシウム濃度の増加をきたす結果,神経伝達物質遊離を誘発することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akihiro Itoh: "Ischemia-induced changes in catecholamine release and their mechanism:A study using cultured bovine adrenal chromaffin cells." Brain Res.,. (in press). (1994)
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[Publications] Kunio Koshimura: "Dopamine releasing action of 6R-L-erythro-tetrahydrobiopterin:Analysis of its action site using sepiapterin." J.Neurochem.,. (in press). (1994)