1994 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンII受容体とレニン-アンジオテンシン系の研究
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05670100
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩尾 洋 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00137192)
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Keywords | レニン / アンジオテンシン / 高血圧 |
Research Abstract |
血液中アンジオテンシンII濃度を変化させるモデルとして2種類を考えた。アンジオテンシンII上昇モデルとして副腎摘出群、アンジオテンシンII減少モデルとして両側腎臓摘出群である。副腎摘出群では血中アンジオテンシンII濃度は約10倍上昇した。また両側腎臓摘出群では血中アンジオテンシンII濃度は約10分の1以下に減少した。これらの動物で肝のアンジオテンシンII受容体1型mRNAを測定した。 副腎摘出群では、肝臓のアンジオテンシンII受容体1型mRNAは約10%減少し、副腎皮質ホルモンの添加により約10%増加した。しかし、これらの変化は有意の変化ではなかった。両側腎臓摘出群では、肝臓のアンジオテンシンII受容体1型mRNAは2時間後に約半分に減少し、その後も持続的に減少した。副腎摘出群に両側腎臓摘出を行うと、アンジオテンシンII受容体1型mRNAは約1/3に減少した。 当初に計画した研究目的のうちアンジオテンシンIIの産生量とアンジオテンシンII受容体mRNAのうちtypeIAの定量は予定通り行なった。アンジオテンシンII受容体typeIAのmRNAの発現は組織により異なり必ずしもアンジオテンシンII濃度により調節されていないことが判明した。また、DuP753アンジオテンシンII受容体阻害作用は不十分である可能性がある。この点を補う目的で血中アンジオテンシンII濃度を低下させる別のモデルを考える必要がある。またアンジオテンシンII受容体typeIにはAとBの2型が存在し、それぞれの遺伝子発現が年齢により異なること、また組織中の細胞の種類により異なることが明らかとなりつつある。今後は、これらの要素も考慮する必要がある。
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Research Products
(1 results)