1993 Fiscal Year Annual Research Report
ミュタジェネシスによるキニノーゲン重鎖の生理機能ドメイン解析
Project/Area Number |
05670118
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大久保 岩男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80152073)
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Keywords | キニノーゲン / 重鎖 / ミュタジェネシス / 発現 |
Research Abstract |
平成5年度の研究において得られた研究結果は以下の通りである。 【1】QVVAG配列の欠損タンパク質をコードするcDNAの作製:低分子キニノーゲンのドメイン2、3に存在するQVVAG配列を欠損させるために以下の方法1)および2)を試みた。 1)変異を導入するプライマーおよびプラスミド上の制限酵素認識部位BglIIをAflIIIに変化させるプライマーをDNA合成装置で作製し、DengおよびNickoloffの方法(Anal.Biochem.200,81-88,1992)に従い,cDNAが組み込まれたプラスミドDNAにアニーリングさせることにより、変異導入を試みた。 2)RCRによる方法 (2-a.)変異導入用プライマーおよび制限酵素認識部位消失プライマーを作製し、Itoらの方法(Gene102,67-70,1991)に従い、PCRにより変異導入を試みた。 (2-b.)Imaiらの方法(Nucl.Acids Res.19,2785,1991)に従い、PCRにより変異導入を試みた。 1)および2-a.では、変異導入の効率が良くなく、目的とする変異が導入されたDNAは得られていない。現在は2-b.の方法により変異導入を試みている。 【2】発現したタンパク質の検出系の確立:培養上清中のキニノーゲンを検出するために、ウサギ抗キニノーゲン・ポリクローナル抗体をProtein A カラムに通し、IgG画分だけを分離したものを一次抗体、また以前に私共が作製した、マウス抗キニノーゲン・モノクローナル抗体を二次抗体に用いたELISA法は、多数の試料を処理できるため有用であると考えたが、無血清培地が、系の反応に何らかの干渉作用を持ち、無血清培地中のキニノーゲンを検出するこてはできないことがわかった。しかし、培養上清を電気泳動後、、ニトロセルロース膜に転写したものは、これらの抗体を用いて、目的とするキニノーゲンを検出することができたので、操作は煩雑となるが、この方法で目的タンパク質の検出を行うことにした。 【3】昆虫細胞を用いた発現系の確立:多角体遺伝子とそのプロモーターを含むトランスファーベクターpVL1393とpVL1392にキニノーゲンcDNAを組み込み、夜蛾の幼虫由来の昆虫細胞へトランスフェクトしたのち、その上清からプラーク法により、組換えウイルスを選択した。選択した組換えウイルスを再び昆虫細胞に感染させることにより、発現させたタンパク質を【2】の方法で検出することを行っているが、今のところ、目的とするタンパク質は得られていない。
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