1994 Fiscal Year Annual Research Report
ミュタジェネシスによるキニノーゲン重鎖の生理機能ドメイン解析
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05670118
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大久保 岩男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80152073)
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Keywords | バキュロウイルス / キニノーゲン / Site-directed mutagenesis / プライマー / 昆虫細胞 / PCR |
Research Abstract |
平成6年度の研究では次のような研究成果が得られた。 1.低分子キニノーゲン重鎖上のQVVAG配列が欠損したタンパク質をコードするcDNAの作製:平成5年度はドメイン2および3に存在するQVVAG配列が欠損したcDNAを作製するために、合成mismatch primerによるsite-directed mutagenesisを試みたが、平成6年度はPCRmutagenesisで、変異を導入することを試みた。しかしながら、変異を導入する隣接部位のヌクレオチド配列にAT含量が多いこともあり、DNAシークエンスで確認する完全にQVVAG配列が欠損したタンパク質をコードするcDNAは得られておらず、現在プライマー設計を変えて検討しているところである。 2.野性型及び変異低分子キニノーゲンの昆虫細胞での発現:平成5年度に引き続き、バキュロウイルス発現系で低分子キニノーゲンの発現を試みた。トランスファーベクター(pVL1392/1393)のEcoRI制限酵素切断部位に低分子キニノーゲン遺伝子挿入し、昆虫細胞をtransfectした後、遺伝子産物発現の確認は、ウサギ抗ヒト低分子キニノーゲン抗体を用いて、ウエスタンブロット法で検出した。しかし、目的タンパク質の発現は確認できなかった。トランスファーベクターの遺伝子導入は、制限酵素処理等により確実に行われていることは確認されているので、transfectionの効率、昆虫細胞の維持に問題があったと考えており、これらについて検討を加えているところである。 3.野生型及び変異低分子キニノーゲンの大腸菌での発現:大腸菌は迅速に安価に目的の遺伝子産物を発現精製することができるため、平成6年度はマルチクローニング部位の上流に強力なプロモーター(trc)を持つpTrc99A Expression VectorのNcoI制限酵素切断部位に遺伝子を挿入し、直接発現させることを試みた。現在、発現の誘導条件を変えて、大量発現の最適条件を求めているところである。
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[Publications] Ueyama H,Naitoh H and Ohkubo I: "Structure and expression of rat and mouse mRNAs for Zn-α2-glycoprotein." J.Biochem.(Tokyo). 116. 677-681 (1994)
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[Publications] Ochiai Y,Inazawa J,Ueyama H and Ohkubo I.: "Human gene for β-microseminoprotein:Its promoter structure and chromosomallocalization." J.Biochem.(Tokyo). 117. 346-352 (1995)
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[Publications] Ohkubo I,Tada T,Ochiai Y,Ueyama H,Eimoto T and Sasaki M: "Human seminal plasma β-microseminoprotein:Its purification,characterization,and immunohistochemicallocalization." Int.J.Biochem.& Cell Biol.(in press).
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[Publications] Sasaki M and Ohkubo I: "Molecular recognition of proteases associated with cascade reactions Biological Functions of Proteases and Inhibitors." Katunuma K,Suzuki K,Travis J,Fritz H Scientific Societies Press Tokyo,Japan, 11 (1994)