1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞タンパク質の2次元電気泳動法による分離同定及びデータベース化
Project/Area Number |
05670134
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
伏谷 建造 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00208993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 桂一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00104787)
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Keywords | 二次元電気泳動 / 微量アミノ酸配列分析 / 内部配列 / ヒト細胞 / 細胞生物学 / タンパク質化学 |
Research Abstract |
ヒトのゲノムが保持しているタンパク質群とその動態に基本的な興味を抱き、これをタンパク質化学的手法で研究を行うの必要な2次元電気泳動法とアミノ酸配列分析に関する基礎的な検討を行ってきた。平成5年度まで使用してきたキャリアアンフォライトを用いた2次元電気泳動は銀染色に必要なタンパク質量を分析する時でもアルカリ側pHでかつ高分子量領域ではタンパク質の分離が著しく悪く、また再現性も乏しいものであった。 さらにアミノ酸配列分析に必要なタンパク質量を泳動すると、分離可能なタンパク質スポットの数も極めて限定され、しかも銀染色を行った時の分離パターンとの同一性も失われ、この研究に即した多数のタンパク質解析には不十分であった。これを克服するものとして1次元目に固定化pH勾配による等電点電気泳動を行い2次元目にラージフォーマット(22×22cm)ゲルを使うと有効で、ヒト細胞の抽出物から2000から3000個のスポットを得ることが可能となった。この方法を用いてヒト由来の各種細胞(HeLa S3,HeLa P3,KB,BG-1,HepG2,HGC,PLC/PRF/5,HL60,Y79,Jurkat,NALM-6,PEER,BALL-1,HLC,u937,ML-2,Mol T-4,HPB-ALL)の2次元泳動パターンを求めた。これらパターンを重ね合わせた像を得ることは各像中の対応するタンパク質スポットの同定が極めて困難で、これに代わりHeLa細胞抽出物の泳動パターンを標準として採用しこれを各細胞と混合することで各細胞中のタンパク質スポットの推定を行うのが有効と分かった。また、ヒト細胞タンパク質の動態をより特徴づけるためにマウス神経細胞由来のN18TG2の抽出物から得られた2次元電気泳動による分離タンパク質をブロッティング膜に膜転写した後、27個のタンパク質スポットのN末端アミノ酸の配列を求めた所、その多くではN末端が遊離されずブロックされているものと推察された。また、N末端配列が決定されたものについてSWISS-PROTのタンパク質データベースを対象として相同性検索を行ったところ2個の未知配列が見つかった。
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