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1993 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト低リン血性クル病の原因である腎Na/リン輸送担体遺伝子のクローニング

Research Project

Project/Area Number 05670145
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

宮本 賢一  徳島大学, 医学部, 助手 (70174208)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 武田 英二  徳島大学, 医学部, 教授 (00144973)
Keywordsトランスポーター / リン / 腎尿細管 / 低リン血症 / クローニング
Research Abstract

低リン血性ビタミンD抵抗性クル病は、腎近位尿細管でのリン再吸収の低下による著しい低リン血症と、それに伴うカルシウム/リンにおけるイオン積の低下により生じるクル病または骨軟化症を特徴とする疾患である。原因遺伝子として腎尿細管brush border membraneにおけるNa/リン輸送担体の異常が報告されている。最近、Murerらのグループにより、ウサギ腎臓において分子量が約5万2千の蛋白をコードするNa/リン輸送担体遺伝子がクローニングされた。我々は、彼らの報告したNa/リン輸送担体cDNAを基にプライマーを合成し、RT-PCR法によりヒトcDNAライブラリーよりヒトNa/リン輸送担体遺伝子をクローニングした。得られた遺伝子は全長1794bpでありオープンリーデングフレームは466個のアミノ酸をコードしていた。またNa依存性トランスポーターに共通したナトリウム結合モチーフ(SOB)であるGly-Leu----Ala-X-X-X-X-Leu-X-X-X-Pro-Argの配列が見られた。しかしこのSOBモチーフに共通のAlaがこの蛋白ではValになっており、このことがNaの結合にどのように関与しているのかは現在明らかではない。
また推定される蛋白の疎水性域を調べた結果、約7回の膜貫通域が確認された。さらに糖鎖付加部位を検討した結果、39,47,56および439番目のAsnが推定された。腎尿細管におけるNa/リン輸送担体は、PTHおよび血中リン濃度により厳密に活性が調節されており、これらの情報伝達系にProtein kinase Cが関与していることが報告されている。Protein kinase Cのリン酸化部位として15,58および204番目のSerまた59および105番目のTryが想定された。さらにこの遺伝子の各組織における発現を調べた結果、腎皮質および肝臓に発現していた。最近、肝実質細胞膜にもNa/リン輸送活性の存在が報告されており肝においても機能しているものと思われる。また、ウサギNa/リン輸送担体(Na/Pi-1)とアミノ酸レベルで約70%の相同性が確認された。さらに、最近Murerらが報告したヒトNa/リン輸送担体遺伝子(Na/Pi-3)とは19%の相同性しか見られず、両者は同じヒトNa/リン輸送担体でありながら全く異なった構造をもつ蛋白であると考えられる。今後、ゲノム遺伝子のクローニングを行い、低リン血性クル病患者における遺伝子解析を行う予定である。

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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