1995 Fiscal Year Annual Research Report
多機能酵素---プロスタグランジンF合成酵素---の構造と機能の解明
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05670156
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
渡部 紀久子 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究員 (90211672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登志子 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究助手
遠藤 和夫 京都大学, 大学院博士課程
早石 修 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 所長 (40025507)
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Keywords | プロスタグランジンF / PGF合成酵素 / 肺 / 間質細胞 / 低酸素 / 子宮 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)F合成酵素は分子量約37,000の単一鎖の単純蛋白質で、広い基質特異性を示しNADPH存在下にケト基を有するPGD2やカルボニル化合物を還元するだけでなく、エンドパーオキサイドを有するPGH2をも還元すること、さらにその一次構造、活性部位に関与するアミノ酸残基やC末端側のペプチドの役割などその構造について報告してきた。今年度は、本酵素が主に存在する肺での生理機能及びPGFが多く存在する生殖器での生理的役割について研究したので報告する。 PGF合成酵素はラットを用いて全身臓器分布を調べた結果、肺に最も高い活性を示したことから、肺における本酵素の抗体を用いた免疫組織学的研究より肺胞中隔および非線毛気道上皮細胞に存在することを明らかにした。今回更に肺胞中隔細胞が間質細胞のひとつで、線維芽細胞と筋細胞の両方の形態を有するcontractile interstitial cells(CICs)であることを免疫蛍光染色および免疫電顕により証明した。この細胞は細胞内にアクチンフィラメント束を有し細胞体は隣り合う肺胞の上皮基底膜間に広がり、毛細血管に近接している。共同研究者の福井基成博士等(京都大学)はこの細胞の分離培養に成功した。本細胞をコラーゲンゲル中で培養し、低酸素状態にしたときゲルが急速に収縮することから、PGFはこの状態時の収縮に関与していると考えられ、本酵素が肺におけるPGF合成を司る酵素と思われる。 PGFは黄体の性周期の後期に子宮内膜において多く生成され、性周期の調節や妊娠に関与すると考えられている。伊藤誠二教授(関西医科大学)との共同研究により妊娠後期および性周期の後期の子宮においてPGF合成酵素の抗体と交差する36KDaの蛋白質が増加し、それと呼応してPGF2αも増加することを見いだした。この結果よりPGFが性周期の調節や妊娠時に重要な生理的役割を果たすと考えられ、PGF合成酵素もその生成に関与していると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fukui, M., Yasui, H., Watanabe, K., Fujimoto, T., Kakuma, T., Yoshida, R., Ohi, M., & Kino, K.: "Hypoxic Contraction of Contractile Interstitial Cells Isolated from Bovine Lung." American Journal of Physiology. (in press). (1996)
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[Publications] Fukui, M., Fujimoto, T., Watanabe, K., Endo, K., & Kuno, K.: "Prostaglandin F Synthase is Locarized to Contractile Interstitial Cells in Bovine Lung." The Journal of Histochemistry and Cytochemistry. (in press). (1996)
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[Publications] Unezaki, S., Sugatani, J., Masu, Y., Watanabe, K., & Ito, S.: "Characterization of Prostaglandin F2α Production in Pregnant and Cycling Mice." Biology of Reproduction. (in press). (1996)
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[Publications] Urade, Y., Watanabe, K., & Hayaishi, O.: "Prosraglandin D, E, and F synthases" Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling. 12. 257-273 (1995)