1993 Fiscal Year Annual Research Report
FISHによる胃癌細胞の染色体17p(p53 locus)の増減に関する研究
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05670170
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大井 章史 金沢大学, がん研究所, 助手 (50160411)
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Keywords | 胃癌 / p53 / FISH |
Research Abstract |
1993年より金沢大学がん研究所外科で手術された胃癌症列30例について、胃癌細胞の核浮遊液の作製、DNAの抽出、及び凍結切片の作製を終了した。がん抑制遺伝子p53の遺伝子座のある染色体17のcentiomoreに特異的なα-satellite probeを用いたfluorescein in situ hybridization(FISH)では17番染色体のtrisomy2例、monosomy1例、disomy3例であった。17番染色体の数の異常は他の染色体1,8,18番の数の異常と相関しておらず、この染色体に特有の変化と考えられた。p53locusのある17p13.1に特異的なprobeを用いてFISHを行い17-centromereの数の異常と比較すべく準備中である。 17p13,3にあるrestriction fragment length polymorphic siteに特異的なDNA probe YNZ-22を用いて、癌より抽出したDNAを使ったザザンハイブリダイゼーションを行った結果、14例中5例にloss of heterozygosityを認めた。現在のところ17p13.3のLOHとFISHによるChromosome17の数の異常との関係は不明である。 当科で過去9年間に手術された胃癌575例について抗p53蛋白抗体(CM-1)を用いた免疫染色を行った結果、39.1%に陽性細胞を認めた。臨床病理学的事実との比較では深達度の深い症例及び高stage群に優位に陽性率が高かった。
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