1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670183
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須田 耕一 順天堂大学, 医学部, 教授 (80090596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 優 順天堂大学, 医学部, 助手 (40266028)
三宅 知雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (10255656)
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Keywords | 慢性膵炎 / アルコール / 膵小葉間線維化 / 蛋白栓・膵石 / 膵腺房周囲線維化 / 筋線維芽細胞 / 線維芽細胞 / prolyl hydroxylase |
Research Abstract |
アルコール多飲者101剖検例および慢性アルコール性膵炎臨床診断例36例の計137例について膵の線維化を調べると90例に認められた。これらは小葉間線維化55例と小葉内線維化35例に大別され、慢性アルコール性膵炎臨床診断例はすべて小葉間線維化に属した。これら線維化の分布と蛋白栓・膵石の併存や脾静脈・総胆管への波及の有無を検討した。その結果、小葉間線維化では蛋白栓37例、膵石23例、膵周囲線維化37例、仮性嚢胞7例、膵管上皮過形成16例、脾静脈波及26例中14例および総胆管波及18例中9例であったのに対し、小葉内線維化ではそれぞれ11例、0例、1例、0例、2例、13例中2例および5例中0例であった。すなわち、いずれも小葉間線維化で多かった。このことより小葉間線維化と小葉内線維化は病態が異なると考えられた。 膵腺房周囲の線維化の発生機序をアルコール多飲者4例、非多飲者6例の脾組織を用いて電顕的に検討した。その結果、検索した10例ではアルコール多飲者・非多飲者の間には特に差は認められずほぼ同様な所見を示した。すなわち、腺房周囲の膠原繊維の増加と共に筋線維芽細胞、線維芽細胞およびその中間的な細胞が増加し、同時に毛細血管も混在していた。筋線維芽細胞や線維芽細胞と膠原線維の間には径13-15nmのmicrofibrilを多数認めた。筋線維芽細胞または線維芽細胞は少量の膠原線維とともに腺房細胞間にも認められ、ときに腺房中心細胞の周囲まで及んでいた。以上より、腺房周囲の線維化は筋線維芽細胞などの間葉系細胞が深く関与していると考えられた。 コラーゲン合成に関与しているprolyl hydroxylaseを免疫電顕的に検討すると、腺房細胞の核膜、小胞体、ライソゾームに局在が認められた。このことより膵の線維化に腺房細胞の関わりが想定された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Suda K: "Pancreatic fibrosis in patients with alcoholic dependence syndrome." Arch Pathol Lab Med. 117. 1013-1016 (1993)
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[Publications] Suda K: "Pancreatic fibrosis in patients with chronic alcohol abuse:Correlation with alcoholic pancreatitis" Am J Gastroenterol. 89. 2060-2062 (1994)
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[Publications] Suda K: "A morphologic analysis of 'naked' islets of Langerhans in lobular atrophy of the pancreas" Pathol Internat. 44. 618-623 (1994)
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[Publications] Suda K: "Pancreatic acinar cells in adult human islets of Langerhans" Pancreas. 9. 563-565 (1994)
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[Publications] 須田耕一: "病理形態学からみた慢性膵炎" 胆と膵. 15. 631-636 (1994)