1993 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いたヒトG-CSFの生体内機能の解析
Project/Area Number |
05670207
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 国立小児病院小児医療研究センター, 室長
山田 健人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60230463)
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Keywords | トランスジェニックマウス / G-CSF / 造血幹細胞 / 造血微小環境 / 骨髄移植 / scidマウス |
Research Abstract |
サイトカインは医療への応用が期待される生物活性物質であるが,その機能は当初予想されていたよりも多彩であると考えられている.われわれは,ヒト顆粒球コロニー刺激因子(hG-CSF)の生体内機能を明らかにする目的でhG-CSFを強制発現するトランスジェニックマウス(以下hGCSF-Tg)を作成し,その造血幹細胞増殖機構について解析した. われわれが樹立したhGCSF-Tg系では骨髄系,赤芽球系,巨核球系のみならずT,Bリンパ球系の過形成がみとめられた.これは最も未分化な造血幹細胞から各種の前駆細胞までの著明な増殖によるものであることが判明した.因みに、本hGCSF-Tg系ではhG-CSF遺伝子が造血細胞および造血環境の両方で発現していた.次に,幹細胞の増殖が血球あるいは造血環境のどちらに,より強く影響されているかを明らかにするために,対照マウスとの骨髄移植実験を行なった.その結果,幹細胞増殖には造血環境でのhG-CSF発現が重要であることが明らかとなった.また,hGCSF-Tgをレシピエントとした場合には,移植に最低必要とされる骨髄細胞数の1/5で骨髄が再構築された.この結果は,本hGCSF-Tgの造血環境がin vivoで有効に幹細胞の増殖分化を促進させ,骨髄抑制に拮抗しうることを示している.生体内での造血幹細胞増殖をプロモートしうる本hGCSF-Tgの脾臓よりストローマ細胞株GS細胞を樹立した.GS細胞は無血清培養で長期間にわたりマウス幹細胞を増殖させることが可能であり,さらにヒト芽球コロニー,混合コロニーを増殖させることが明らかとなった.以上の結果,われわれの確立したhGCSF-Tg系はマウスのみならず,ヒト造血機構の解析にも有用であることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hata,J.: "A genito-urinary abnormalities was identical with the most frequent point mutation in Denys-Drash syndrome." FEBS LETTERS. 317. 39-43 (1993)
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[Publications] Hata,J.: "Renin Production in congenital mesoblastic nephroma in comparison with that in Wilm's tumor." Pediat.Pathol.13. 155-164 (1993)
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[Publications] Hata,J.: "Expression of the rat calmodulin geneII in the central nervous system:a 294-base promoter and 68-base leader segment mediates neuron-specific gene expression in transgenic mice." Molec.Brain Res.20. 9-20 (1993)
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[Publications] Hata,J.: "Expression of three nonallelic genes coding calmodukin exhibits similar localization on the central nervous system of adult rats." J.Neurosci.Res.36. 111-119 (1993)
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[Publications] Hata,J.: "Immunohistochmical study of thymic B cells in myasthemia gravis and ulcerative colitis." Acta.Pathol.Jpn.43. 386-395 (1993)
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[Publications] Hata,J.: "Cranial fascitis of childhood:A case report." Eur.J.Pediat.Surgery. 3. 110-111 (1993)