1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670224
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松岡 裕之 三重大学, 医学部, 講師 (10173816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 淳 三重大学, 工学部, 助手 (70242930)
|
Keywords | 蛋白工学 / ワクチン / マラリア / バキュロウイスル |
Research Abstract |
当初提出した研究計画に沿って、研究は滞りなくすすんでいる。これまでに得られた研究の成果は、以下の如くである。 1・ネズミマラリア Plasmodium bergheiのオオキネート期に発現される蛋白の一つ Pbs21の遺伝子を、バキュロウイルスに組み込んでカイコの培養細胞に感染させ、組み換え蛋白 Pbs21(rPbs21)を得ることに成功した。 2・この蛋白はマラリア原虫由来の Pbs21(nPbs21)と相同の分子量であった(21kD)。つぎに、nPbs21に反応する3種のモノクローナル抗体(mAB)を使ってrPbs21とnPbs21に対する反応性を検討した。両蛋白(rPbs21,nPbs21)を還元すると2つのmAbに対する反応性が失われたが、1つのmAbでは、両蛋白の還元・非還元ともに反応性を認めた。すなわち両蛋白は三次構造の相同性が高いことが示された。 3・Pbs21の遺伝子を組み込んだバキュロウイルスを直接カイコに注射し、カイコの体液および脂肪体の双方より、培養細胞系で得たrPbs21と同様の組み換え蛋白を得た。 4・nPbs21に対するmAbを結合させたアフィニティーカラムを利用して、カイコ体液中よりrPbs21を精製した。カイコ幼虫1匹分の体液より約50ugのrPbs21が得られた。 5・精製したrPbs21をマウスに免疫して、マウス血清中の抗Pbs21抗体を追跡した。2回の免疫注射で、50ug IgG/ml以上の特異的抗rPbs21抗体が得られていることをELISAにより確認した。またWestern blotting法により、nPbs21と反応する特異抗体も得られていることを確認した。
|
-
[Publications] Paton M.G.ほか6名: "Structure and expression of a post-transcriptionally regulated malaria gene encording a surface protein from the sexual stages of Plasmodium berghei" Molecular and Biochemical Parasitology. 59. 263-276 (1993)
-
[Publications] Matsuoka H.ほか5名: "Studies on the immunogenicity of a recombinant ookinete surface antigen Pbs21 from Plasmodium berghei expressed in Escherichia coli" Parasite Immunology. 16. 27-34 (1994)