1993 Fiscal Year Annual Research Report
回旋糸状虫におけるmRNAのトランス・スプライシング機構の研究
Project/Area Number |
05670225
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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Keywords | スプライシング / RNA / 回旋糸状虫 / スプライスド・リーダー / アンチセンス療法 |
Research Abstract |
回旋糸状虫雌成虫からλgt11によって作成された4系列のcDNAライブラリを回旋糸状虫アクチン5'末端非翻訳部位および翻訳部位をプローブとして100万クローンをスクリーニングした。 得られた2つのクローンが、異なったイントロンを1つずつ保持し、スプライスド・リーダーは付加せず、ポリAを保持していた。スプライスド・リーダー配列とイントロンの3'末端配列をプライマーとしたPCR増幅、さらに3つのイントロンをプローブとしたplaque hybridizationによってスクリーニングしたが、スプライスド・リーダーとイントロンを有するクローンは見いだせなかった。 (1)ポリA添加がシス・スプライシングとトランス・スプライシングが完了する前に生じ、シス・スプライシングがトランス・スプライシングの前に生じることが明らかになった。 (2)スプライスド・リーダーとイントロンを有するアクチンクローンが存在しないか、希有な存在であること、さらに、トランス・スプライシングはシス・スプライシングが完了した後に生じる可能性が高いことが示唆された。 スプライスド・リーダーを保持するアクチン成熟mRNAは、シス・スプライシングが完了している可能性が高いことから、スプライスド・リーダー配列を5'末端側プライマーとして用いたcDNAクローンの増幅およびスプライスド・リーダー配列を含むアンチセンス・オシゴヌクヘオチド添加による転写過程の阻害の可能性が示唆される。
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