1993 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ特異的ヒト細胞傷害性T細胞が認識するペプチドエピトープの解析
Project/Area Number |
05670230
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
青才 文江 長崎大学, 医学部, 講師 (80150316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 明彦 長崎大学, 医学部, 教授 (20135122)
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Keywords | トキソプラズマペプチド抗原 / T細胞エピトープ / トキソプラズマ感染細胞特異的CTL / MHC分子結合ペプチド / HLA-A2 |
Research Abstract |
我々は従来よりトキソプラズマ感染細胞におけるトキソプラズマ抗原提示機構の解析を進めてきている。平成5年度の研究計画は概ね順調に進められ、本研究の第一目的であるトキソプラズマ感染細胞により抗原提示されるMHCクラスI分子結合トキソプラズマ抗原(T細胞ペプチドエピトープ)のアミノ酸解析に成功し、研究結果を既に発表した(J.Parasitol.in press)。具体的には、(1)慢性トキソプラズマ症患者末梢血リンパ球からトキソプラズマ感染細胞特異的CTL株を樹立し、(2)トキソプラズマ感染細胞cell lysateより逆相高速クロマトグラフィー(RP-HPLC)によりクラスI分子結合ペプチドを分画・精製した。(3)トキソプラズマ感染細胞特異的CTLが認識するT細胞エピトープは、HPLC分画ペプチド添加ARHに対する細胞傷害活性による解析から、HPLC分画29に含まれることが明らかとなった。(4)トキソプラズマペプチド抗原はHLA-A2分子に抗原提示されることが判明した。(6)抗HLA-A抗体Affinity columnにより、大量のトキソプラズマ感染細胞(1X10^<10>)cell lysateからHLA-A2分子結合ペプチドを精製し、RP-HOPLCを用いてHLA-A結合ペプチドを分画・精製して分画29のアミノ酸解析を行った。得られたT細胞ペプチドエピトープはN末端から2番目にLeu、3番目Ile、8番目にPhe、9番目にMetまたはPheの疎水性アミノ酸をもち、報告されているトキソプラズマ抗原、P30、P28、P24とは異なるものであることが判明した。2番目と9番目のresidueはanchor residueとして、それぞれHLA-A2分子のBocket、Fpecketに結合すると考えられ、我々の得たconsensus sequenceは既知のHLA-A結合ペプチドのアミノ酸配列アルゴリズムに一部合致する。今後は(1)合成ペプチドの作成、(2)合成ペプチドに対するモノクローナル抗体の作成、(3)MHCクラスI分子結合トキソプラズマ抗原ペプチドの遺伝子クローニングを進める。
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[Publications] A.Aosai,T-H Yang,M.Ueda and A.Yano: "Isolation of naturally processed peptides from Toxoplasama-gondii-infected human B lymphome as recognized by cytotoxic T lymphocystes." Journal of Parasitology. in press. (1994)
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[Publications] 矢野明彦: "トキソプラズマ感染。感染症と免疫応答--T細胞の役割。" 炎症と免疫(先端医学社). 1. 24-30 (1993)
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[Publications] 矢野明彦: "トキソプラズマ症の最近の話題。" 感染・炎症・免疫. 23(4). 1-29 (1993)
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[Publications] 矢野明彦: "トキソプラズマ症診断法。" 産婦人科の実際(金原出版). 43(1). 63-71