1994 Fiscal Year Annual Research Report
病原性酵母Candida albicansにおける染色体再配列機構の解析
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05670251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 健治 名古屋大学, 医学部, 教授 (70013315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 善之 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10155690)
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Keywords | カンジダ・アルビカンス / 電気泳動核型 / パルスフィールド・ゲル電気泳動 / 反復配列 / 染色体再配列 / 疫学 / カンジダ感染 |
Research Abstract |
1.Candida albicansの染色体DNAをパルスフィールド電気泳動法で分離したときのパターン(電気泳動核型)は、菌種、菌株によって相異がみられる。われわれは前年度にひきつづき、この核型の多様性の基盤にある染色体再配列の機構を解明することを目的として、反復配列近傍の機構と機能の解析を行った。 (1)さきに見出した反復配列RPSとその近傍領域がほとんどの染色体上にある限られた領域に分布していることを確認し、6番染色体について、RPSの端を含む特異的断片をクローニングし、制限酵素断片地図を作成した。 (2)反復配列の構造がヒトのセントロメア構造に類似しているので、セントロメア機能の可能性を検証した。YR_Pタイプのベクターに、RPSを複数個含む配列、RPSの近傍を含む配列を導入し、Candida albicansへtransformして、これらが細胞分裂で低頻度で安定化するかどうかを調べたが、これまでの所、満足すべき結果を得ることができなかった。 2.核型を疫学的研究へ応用する試みをおこなった。 (1)入院患者から分離された多数のカンジタ酵母菌株について電気泳動核型を比較したが、臨床株の由来した材料や病棟との間に有意な関係は認められなかった。 (2)同一人から反復採取された菌株は、多くの場合同じ核型を示した。 (3)RFLPとサザンハイブリダイゼーションの結果と組み合わせて、白血病患児と付そ添いの親との間に、真菌感染の有無を確定することができた。 3.最終年度であるので、上記の研究成果を論文として発表した。
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[Publications] M.Doi: "Electrophoretic karyotypes of isolates of Candida albicans from hospitalized patients" Journal of Medical and Veterinary Mycology. 32. 133-140 (1994)
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[Publications] T.Akashi: "The role of the cytoskeleton in the polarized growth of the germ tube in Candida albicans" Microbiology. 140. 271-280 (1994)
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[Publications] H.Chibana: "Diversity of tandemly repetitive sequence due to short periodic repetitions in the chromosomes of Candida albicans" Journal of Bacteriology. 176. 3861-3858 (1994)
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[Publications] M.Doi: "Strain relatedness of Candida albicans strains isolated from children with leukemia and their bedside parents" Journal of Clinical Microbiology. 32. 2253-2259 (1994)
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[Publications] A.Chindamporn: "Analysis of the chromosomal localization of the repetitive sequences(RPSs)in Candida albicans" Microbiology. 141(In press). (1995)