1993 Fiscal Year Annual Research Report
ストレプトキナーゼ分子のエピトープの決定とプラスミノーゲン活性化機構の解明
Project/Area Number |
05670268
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大国 寿士 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (60060365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
留目 優子 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (20089626)
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Keywords | ストレプトキナーゼ / エピトープ / 急性糸球体腎炎 / プラスミノーゲン |
Research Abstract |
レンサ球菌感染後急性糸球体腎炎(腎炎)患者から分離される化膿レンサ球菌の生産するストレプトキナーゼ(Nephritis strain-associated Streptokinase,NSA-SKase)分子に存在し、他の化膿レンサ球菌のそれ(Common-SKase,C-SKase)には存在しない、NSA-SKase特異的エピトープは、この分子のinternal領域(164-236残基内)に存在することを、単クローン抗体(RU-1mAb)を用いて明らかにして来た。平成5年度においてはMimotope Design kitを用いたピンテクノロジーにより164残基からアミノ酸配列を1残基ずつずらして、各10残基毎にペプチドを合成し、RU-1mAbと反応させた結果176-185残基(TPSLKERYHL),177-186残基(PSLKERYHLT)のペプチドが強く反応し、C-SKaseの同領域のペプチド(RPGLKDTKLL,PGLKDTKLLK)とは反応しなかった。従つてRU-1mAbと反応するNSA-SKase分子上のエピトープは177から185の9残基(PSLKERYHL)であることが明らかにされた。現在この領域のアミノ酸を種々置換し、エピトープの有効構造を決定する作業が進んでいる。 一方NSA-SKaseとC-SKase分子に共通に反応する単クローン抗体(N-59mAb)が認識するSKase分子上のエピトープの解析が同様な方法で行なわれた。その結果N-59mAbはSKase分子のC-末端側の323-332残基(FRPLYDPRDK)と324-333残基(RPLYDPRDKA)の合成ペプチドと反応した。この事実はほとんど全てのSKaseと反応するN-59mAbは324から332の9残基(RPLYDPRDK)と反応していることを示している。 SKase分子上のプラスミノーゲン(Plg)活性化におけるactive siteの検討についてはN-末端より10残基ずつのペプチドを145残基までピン上で合成し、Plgと基質とを作用させ、Plgの活性化を基質の発色で測定しているが、internal領域よりN-末端側の合成ペプチドにはPlg活性化作用が認められず、現在さらにこの研究は継続して行なわれている。
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