1993 Fiscal Year Annual Research Report
MBPによる補体活性化の機序-新たなCls様プロテアーゼの構造と機能
Project/Area Number |
05670307
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松下 操 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00165812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲夫 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00235368)
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Keywords | MBP / MASP / 補体 / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
ヒト血清レクチンであるマンノース結合蛋白(MBP)による補体活性化には,MBPに結合したClr/Cls'活性を持つ新たなセリンプロテアーゼMASP(MBP-associated serine protease)が関与していることを既に明らかにした。本年度はMASPの活性化機構の解明を目的の1つとして、Clv/Cls'との構造活性類似性から存在が予想された未活性型MASPの精製と解析を行った。その結果,MBPには分子量約93,000の1本鎖構造の成分(93KDa成分)が結合しており,これは既に得られている(2本鎖構造の)MASPに対するモノクローナル抗体と反応したこと及び93KDa成分には(4活性化能は無いもののマンナン結合のMBPと反応してC4活性化能を獲得することが判明した。以上のことから,93KDa成分はMASPの未活性型でありMASPもClv/Cls'と同様なセリンプロテアーゼの性質として,未活性型から活性型へ転換することが明らかとなった。 一方,ヒト肝臓のcDNAライブラリーを基にMASP遺伝子のクローニングを行い,MASPの全一次構造を決定した。その結果,MASPは680アミノ酸残基より成り,Clv/Clsと相同性が有りこれらに特徴的なepidermal growth factor,short consensus repeat,セリンプロテアーゼ等のドメイン構造が保存されていることが明らかっとなった。更に,MASP遺伝子の染色体上の位置を決定したところ,Clv/Clsとは異なり第3染色体の長女宛上に存在することが明らかとなった(Int.Immunol.1994.in press)。
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[Publications] 松下 操: "マンノース結合タンパク(MBP)とMBP会合セリンプロテアーゼ(MASP)による補体活性化" 臨床免疫. 25. 1530-1536 (1993)
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[Publications] 松下 操: "補体活性化とマンノース結合蛋白" Annual Review 免疫1994. 139-145 (1994)
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[Publications] 松下 操: "レクチンによる新たな補体活性化経路" 化学と生物. 32. 76-77 (1994)
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[Publications] Tetsuo Sato(佐藤哲夫): "Mclewlar characterization of a serine protease involved in actiration of the complement system by mannole-binding protein" International Immumolosy. (in press). (1994)