1994 Fiscal Year Annual Research Report
MBPによる補体活性化の機序-新たなCls様プロテアーゼの構造と機能
Project/Area Number |
05670307
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Research Institution | Fukushima Medical College |
Principal Investigator |
松下 操 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00165812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲夫 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00235368)
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Keywords | MBP / MASP / 補体 / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
マンノース結合蛋白(MBP)は補体活性化能を持つ血清レクチンである。MBPにはClr/Cls活性を有するMASP(MBP-associated serine protease)が結合して複合体を形成しており、MBPがリガンド糖鎖に結合すると、MASPは未活性前駆体から活性型へ転換してC4、C2分解活性を獲得する結果を得ていた。本年度は、構造及び機能が似ている2つの複合体MBP-MASPとClq-Clr/Clsの亜成分間の互換性を調べた。蛋白間の結合状態を調べる装置であるBiocoreを用いて、MBP-MASP、MBP-Clr/Cls、Clq-MASP、Clq-Clr/Cls各々の結合定数を求めたところ、全てほぼ同程度の値を示すことが明らかとなった。血清中からはMBP-MASP、Clq-Clr/Cls複合体のみ単離されることから、これらの複合体形成には何らかの制御機構が存在することが推定された。これに関連して、MBP-MASPにはClとは異なり血清プロテアーゼインヒビターの一つα_2-マクログロブリンが結合することが判明した。このことは、MASPはClよりも原始的な活性化の制御機構を受けている可能性を示唆している。 一方、ヒトMASPゲノムの解析を行い、MASPのL鎖は6ケのエクソンより構成されており、報告されているClr/Clsのゲノム構造とは異なるエクソン・イントロン構成をしている可能性があることがわかった。
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