1993 Fiscal Year Annual Research Report
脳におけるアミロイド蛋白質の生成および沈着とアルミニウム蓄積機序
Project/Area Number |
05670322
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
田口 徹也 高知医科大学, 医学部大学, 助教授 (40095021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 厚 高知女子大学, 家政学部, 助教授 (60178704)
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Keywords | 脳アミロイド / アルミニウム / 蓄積機序 |
Research Abstract |
老化が発症機序の一因となっているアルツハイマー型痴呆症では、脳内に老人斑(アミロイド)の出現や微量元素(アルミニウム)の蓄積が認められている。このことは、脳内の微量元素蓄積にアミロイド蛋白質の沈着が重要な役割担っていることが示唆される。これを立証するために、脳内アミロイド蛋白質沈着モデル動物の作成を試みた。モデル動物作成にあたって、脳におけるアミロイド蛋白質の生成には、脳細胞リソゾーム中酵素活性の変動が関与しているという仮説をたて、脳リソゾームの調製法を開発した。リソゾーム固有の酵素(Arylsulphatase etc.)活性を指標にして、ラット脳のホモジネートと新たに開発した方法により得られたリソゾームの比活性w比べてみると、その比率は約300倍で、従来報告されている方法(Caimi et al.,J Nerochem Vol 52,1722-1728,1989)に比べて数倍純度高くリソゾームが得られた。次いで、リソゾーム蛋白質分解酵素阻害剤として知られているロイペプチンを種々の投与方法(腹腔投与、脳内投与など)によりラットに投与し、リソゾーム中酵素活性の変動とアミロイド蛋白質生成との関連を分析した。その結果、ロイペプチンを幼若ラットの腹腔内に毎日注射することにより、脳および肝臓中のリソゾームで蛋白質分解酵素活性の低下と、それにより出現したと推測される老人斑によく似た色素の沈着が観察された。現在、阻害剤の投与量、投与期間、投与法等最適条件の設定を検討している。
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