1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670327
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
香川 順 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90055955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 悟 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70158963)
森信 茂 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00112871)
山野 優子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30167580)
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Keywords | 3歳児健康診査 / ぜん息様症状 / 受動喫煙 / 窒素酸化物 / 個人暴露 |
Research Abstract |
われわれは、現在保健所で行われている3歳児健康診査の場を利用して、3歳児のぜん息様症状の発症や増悪に係わる因子(アレルギー素因、既往歴、乳児期の栄養、受動喫煙の有無、住宅構造、暖房器具の種類、換気状況、居住地の自動車排気ガス等の影響)を評価する調査票をATS-DLD調査票をもとに作成し、平成5年11月より平成6年10月までの1年間、東京都区内の保健所の3歳児健康診査対象者790人について、ぜん息様症状の有症率と増悪に係わる因子をその調査票で評価した。 また、同時に受動喫煙の暴露量評価のために、協力者520人の尿中コチニン,クレアチニンを定量測定し、さらに協力者102人については窒素酸化物(一酸化窒素,二酸化窒素)測定用のpassive samplerを24時間付けてもらい、1日の窒素酸化物の個人暴露量を測定した。 その結果、ぜん息様症状を有症率は、アレルギー素因を有するもの、肺炎・気管支炎の既往を有するものが高かった。しかし、しばしば問題となる受動喫煙に関しは、全対象の48.2%に家庭内喫煙者がいたが、家庭内受動喫煙有群と家庭内受動喫煙無群では、有症率に有意な差はなかった。(尿中コチニン検出率は、家庭内受動喫煙有群は44.7%、家庭内受動喫煙無群は8.0%と家庭内受動喫煙有群で高く、質問票の回答と相関した。)さらに、大気汚染として身近な問題となっている二酸化窒素に関しては、二酸化窒素個人暴露量に大きく影響するのは、暖房器具であるとわかった(60ppbの環境基準を越えた児のほとんどが冬期の測定で、開放型ストーブであった。)が、暖房器具の種類による有症率に差はなかった。その他の因子についても、差はみられなかった。
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