1993 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的指標を用いた有害物質曝露の生物学的モニタリングに関する研究
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05670337
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
佐田 文宏 東京大学, 医学部(医), 助手 (90187154)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 武 東京大学, 医学部(医), 助手 (80227214)
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| Keywords | 免疫学的指標 / 生物学的モニタリング / CD4^+CD45RA^+細胞 / ナチュラルキラー細胞 / 鉛曝露 / フローサイトメトリー |
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| Research Abstract |
本年度は、鉛作業者のリンパ球サブセットを測定し、鉛曝露のT細胞分画とナチュラルキラー(NK)細胞分画に及ぼす影響を調べた。
某化学工場に勤める男子鉛作業者70名(年齢20〜74歳、血中鉛濃度7〜50μg/dl;喫煙者41名、非喫煙者29名)を対象とした。鉛作業者は鉛曝露の程度により、高血中鉛群40名(血中鉛濃度18μg/dl以上、平均24μg/dl;喫煙者25名、非喫煙者15名)と低血中鉛群30名(血中鉛濃度18μg/dl未満、平均13μg/dl;喫煙者16名、非喫煙者14名)の2群に分けた。被験者の静脈血を採取し、レーザー光線によって励起光を発する蛍光色素florescein isothiocyanate(FITC),phycoerythrin(PE)に各々結合させた抗Leu-18抗体(CD45RA)と抗Leu-3a抗体(CD4)または抗Leu-4抗体(CD3)、抗Leu-7抗体と抗Leu-11抗体とともにインキュベートした後、フローサイトメーターで各分画の細胞百分率を求めた。末梢血中のリンパ球数は自動血球計算機で計算した。
非喫煙者において、高血中鉛群のCD4+CD45RA+およびCD3+CD45RA+リンパ球数が低血中鉛群よりも有意な増加を示し(p<0.05,t検定)、Leu-7(CD57)-,Leu-11(CD16)+細胞数が低血中鉛群よりも有意な減少を示した(p<0.05,t検定)。
以上から鉛曝露により、サプレッサー・インデューサーT細胞分画が末梢血中で増加する一方、NK活性が最も強いとされているNK細胞分画が減少することが示唆された。
来年度は、喫煙、飲酒をはじめとする生活習慣および職場ストレスが免疫系に及ぼす影響を統計学的に解析するとともに高濃度鉛作業者のキレート剤による治療経過と免疫学的指標の関連を調べる予定である。
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