1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670342
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Research Institution | Yamanashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
平林 公男 山梨県立女子短期大学, 一般教育, 講師 (20222250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
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Keywords | 諏訪湖 / ユスリカ / 気管支喘息 / 血清疫学 |
Research Abstract |
2年継続の1年目である本年度は、ユスリカ成虫に対する人々の意識の調査と、来年度に向けての血清疫学的調査の予備調査を行った。特に、以下の二項目について検討を行い下記の様な成果を得た。 1.諏訪湖周辺地域の住民、観光業者、観光客に対するアンケート調査の実施 諏訪湖周辺地域の住民(250名)、並びに観光業者、諏訪湖に訪れた観光客(150名)に、ユスリカに対する意識、迷惑度、健康障害の有無などについて、成虫発生期である秋期にアンケート調査を行った。その結果、住民と観光客との間に、意識上、大きなずれのあることが明らかになった。すなわち、住民は「ある一定期間だけ我慢すれば後は済む」と言ったあきらめの気持ちが強く、湖からの成虫発生量がある程度以上にならないと、不快感を示さないことが解った。一方、観光客は、僅かな成虫発生量でも強く不快感を感じ、両者間で大きな隔たりがあった。また、湖岸より500m以内の地域でユスリカ成虫に対して「極めて不快」と答える者の割合が多く、この結果は、成虫飛来量調査と極めて良く一致していた。 2.気管支喘息患者のユスリカ特異IgE抗体の保有調査(予備調査) 諏訪地区の岡谷塩嶺病院の第一内科に来院した気管支喘息の患者34名と、松本地区(コントロール)の信州大学医学部附属病院呼吸内科に来院した気管支喘息の患者46名について、オオユスリカ、アカムシユスリカ、セスジユスリカの抗体保有率の調査を行った。また、抗原として、一般的に良く知られているダニやガについても併せて検討した。調査時期は、諏訪湖からユスリカ成虫大発生の見られる9月から11月の間に集中的に行った。採集した血清は、DPC-Specific IgE Kitなどにより測定した。現在分析中のものもあり、データを全てまとめるには至ってはいないが、全体で1割程度の者がユスリカ抗体を保有している模様である。結果がまとまり次第、患者の居住地と、ユスリカ成虫高密度飛来地域との因果関係を検討する予定である。また、他抗原との交叉性などについても検討して行く予定である。
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