1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670347
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Research Institution | Tottori University Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
大城 等 鳥取大学, 医学部, 助教授 (40160486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 伸夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (80191906)
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学部, 助手 (50161790)
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Keywords | 転倒 / 骨折 / 運動機能 / 重心動揺 |
Research Abstract |
高齢者の骨折の最大の危険因子は骨塩量であるが知られているが、同じ骨塩量であっても、高齢になるほど骨折の頻度は高くなることが知られている。そこで、年齢とともに低下する身体機能、特に平衡機能の低下が転倒の頻度を高め、その結果骨折が生じると仮説を立て、本研究を行った。 昨年度の重心動揺距離と年齢との調査に加え、島根県I町の農協組合員278名を対象として、重心動揺と転倒の頻度を調査した。1年間の観察期間中、転倒した者はしなかった者に比較し、有意に重心動揺距離が大きかった。また、転倒した者が全体の約20%を占め、わずかではあるが、転倒を頻繁に起こす者も見られ、高齢者における転倒頻発の危険性が示唆された。さらに、島根県A町の住民188名を対象に、身体機能(平衡機能、筋力、瞬発力など)と年齢との関係を見た。その結果、男女ともに、上腕三頭筋筋力、機能的リーチ(平衡機能の指標)、握力、大腿四頭筋筋力、歩行速度、視力が年齢と有意に関連していた。男女別に、年齢を目的変数、各身体機能を示す指標を説明変数として、重回帰分析を行った結果、男性では握力が、女性では握力、歩行速度、視力が年齢と関連していた。いずれも測定が簡便な検査であるので、加齢の生理的な指標として有用と考えられた。特に握力は男性では相関係数-0.65、女性-0.47と強い相関を示した。今後、身体機能が転倒と関連しているかどうかを知るために実施した、転倒頻度調査の回収中を待って、高齢者の転倒・骨折予防の方法を示したい。
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