1993 Fiscal Year Annual Research Report
先端技術産業で用いられる感作性金属の生体影響に関する研究
Project/Area Number |
05670369
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
島 正吾 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 教授 (40084511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 秀樹 藤田保健衛生大学, 医学部・衛生学, 講師
大谷 元彦 藤田保健衛生大学, 医学部・衛生学, 教授 (30084510)
佐賀 務 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 助教授 (70135060)
|
Keywords | ベリリウム / ジルコニウム / 白金 / コバルト / ニッケル / スズ |
Research Abstract |
1.免疫担当細胞に対する感作性金属影響 マウス脾細胞の付着細胞と非付着細胞の培養系に1〜100muMの5種(Be、Zr、Pt、Co、Ni)金属を添加し、これらの細胞に対する感作性金属の影響について細胞生存率を用いて検討した。[実験成績]付着細胞に対する影響では、Be添加系では、対照群と比較して生存率の低下が認められ、特に100muMでは36%であった。Zr添加系では、対照群と同様な傾向を示し、この濃度範囲では影響を認めなかった。Pt添加系では、100muMで5種の金属中で最も低い生存率を示した。Co、Ni添加系では、1muM〜10muMでは対照群と同様な値を示した。それ以上の濃度では低い値を示した。非付着細胞に対する影響においては、Be、Zrでは対照群と同様な値を示した。Ptでは10muM以上で生存率の低下が認められた。Ni、Coでは10muMでわずかな低下が認められ、添加濃度と共にその傾向は増加した。添加した5種の感作性金属中Ptが最も強い細胞毒性を示した。 2.プロスタグランジン産生に対する感作性金属の影響 ヒト末梢血液からリンパ球を分離し、1〜100muMの感作性金属を添加培養した。培養上清中のプロスタグランジンE量を測定した。[実験成績]Be、Zrはいずれの濃度においても増加傾向を認めず対照群と同様な値を示した。Pt、Co及びNiでは、低濃度では対照群と同様な値を示したが、高濃度ではプロスタグランジンEの産生が増加する傾向を示した。この増加傾向は添加濃度が増すにしたがって増加した。 3.スズ化合物の経口投与による胎児への移行について 有機スズと無機スズを妊娠ラットに経口投与し、胎児への移行について検討した。[実験成績]無機スズに比べて有機スズのほうが胎児へのスズの移行が高いことが認められた。
|