1994 Fiscal Year Annual Research Report
都市勤労者のライフスタイルと尿の変異原修飾作用について
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05670376
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
中村 清一 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (80167551)
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Keywords | 尿 / 抗変異原性 / 生活習慣 / 生活環境 / 健康度 / ライフスタイル / ワークスタイル / umu試験 |
Research Abstract |
人の尿には化学変異原の誘導するSOS反応を抑制する作用のあること、尿の抑制作用には個人差のあることを見いだした。これまでの研究により、尿のSOS反応抑制作用(抗変異原作用)には日間変動は小さいものの、日内変動のあることが明かとなり、尿のSOS反応抑制作用の検討には、採尿時間を限定することが必要であることが分かった。また、尿のSOS反応抑制作用は尿の濃度に影響されるため、濃度による抑制作用の補正が必要であることが分かった。尿は体内の不用物を排せつするものであるが、同時に、その人の身体状況を反映しているものでもある。本研究の目的は尿の抗変異原作用と生活習慣の関連を調べることにより個人差に寄与する要因の解明を行なうことにある。そこで、今年度はタクシードライバー(男子、35〜60才、約200人)を対照に、勤務時間、労働負荷等の職場ストレスの状態、生活習慣、健康状態の調査を行うと共に、尿を採取し、フリルフラミドおよび1-ニトロピレンのSOS反応誘導性に対する尿の抑制作用を調べた。その結果、尿のSOS反応抑制作用と健康調査との比較では肥満傾向のもの、また免疫機能の低いもので抑制作用が低い傾向にあり、有病者率が高かった。一方、尿の抑制係数の高い群では、勤務時間、通勤時間が長く、スポーツの時間は短い傾向にあった。また、高値群では喫煙者率が高く、喫煙本数が多い傾向にあった。今後、さらに調査数を増やし、調査結果の確認を行なうとともに、特徴的な生活習慣、生活環境、健康度などと健康度についての検討を加えることが重要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本信弘、中村清一、他: "umuテストによる尿のSOS反応抑制作用の検討-日内および日間変動について-" 日本衛生学雑誌. 49. 755-764 (1994)
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[Publications] S.Nakamura,et.al.: "Genotoxicity of chlorine-treated amino acids" Env.Tox.Water Qual.8. 163-171 (1993)
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[Publications] 中村清一、他: "化学変異原のSOS反応誘導性に対するヒト血清の修飾作用" 大阪府立公衆衛生研究所所報 労働衛生編. 31. 22-28 (1993)
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[Publications] S.Nakamura,et.al.: "Characterization of urinary components responsible for suppressing of the SOS-responses induced by furylfuramide" Chemistry Express. 7. 205-208 (1992)
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[Publications] H.Obana,S.Nakamura,et.al.: "Effect of dietary fiber on mutagen toxicity in Drosophila evaluated by DNA-repair test" J.Food Hyg.Soc.Japan. 33. 11-16 (1992)
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[Publications] S.Nakamura,et.al.: "Modifying effects of human urine on the SOS-responses induced by chemical mutagens" Chemistry Express. 4. 817-820 (1989)