1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着因子並びに成長因子を指標とした受傷時期の判定に関する法病理学的研究
Project/Area Number |
05670393
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
津田 亮一 長崎大学, 医学部, 講師 (20098875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 真一 長崎大学, 医学部, 助教授 (10205122)
中園 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (30108287)
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Keywords | 接着因子 / von Willebrand factor / フィブロネクチン / α2-プラスミンインヒビター / 血小板糖タンパク質IIIa / 免疫組織化学 / 法病理 |
Research Abstract |
今回,損傷の極早期の止血に関与するとされる3種類の接着因子(von Willebrand factor(vWF),血小板糖タンパク質IIIa(GPIIIa),フィブロネクチン(FN))およびフィブリンの分解に関与するプラスミンのインヒビターであるα2-プラスミンインヒビター(α2-PI)を指標として,損傷の受傷時期の判定への応用を試みた. [実験材料・方法]1.検査に供した損傷部は,当教室の剖検例で得られた損傷部19症例を受傷時期で分類すると,以下の通りでA.短時間群(受傷後30分以内に死亡):9症例18検体,B.1時間群:1例6検体,C.2,3時間群:1症例2検体,D.10時間群:1症例10検体,E.12時間群:1症例1検体,F.1日群:1症例7検体,G.1.5日群:1症例7検体,H.23日群:1症例3検体,I.三ヶ月群:1症例3検体,J.五ヶ月群:1症例1検体,K.不詳群:1症例3検体,計61検体について,抗von Willebrand factor抗体,抗血小板糖タンパク質IIIa抗体,抗フィブロネクチン抗体および抗α2-プラスミンインヒビター抗体を用いてLabelled Streptavidin Biotin法にて免疫組織化学的にて染色し,損傷部におけるこれら抗原の局在の有無を検した.2.心臓の外傷例2例4切片,心筋梗塞例2例4切片についても,前同様にvWF,GPIIIa,FNおよびα2-PIの出現様態を検討した. [実験成績]FNとvWFは受傷の早期の損傷の出血部に出現し経過時間の推定に有用であり,特にFNは極早期の損傷部にも出現して認められ,生活反応の有無の判定に利用できると考えられる.
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