1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670428
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
橘 宣祥 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90094094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 幸一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90239476)
岡山 昭彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70204047)
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Keywords | SCIDマウス / HTLV-I / MT-2 / 抗アシアロGM-1抗体 / NK活性 |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)持続感染者から成人T細胞白血病(ATL)が発症する機構や危険因子の鮮明、ならびに有効な治療法の発見における動物実験モデルの開発を目的として、SCIDマウスへのATL細胞移植を行なった。 平成5年度は、SCIDマウスにおけるATL細胞の移植成功率に及ぼす因子を解析した。その結果、HTLV-I感染ヒトT細胞株(MT-2)は6-7週齢の無処置のSCIDマウス30匹の大腿筋内に接種したところ15匹(50%)で腫瘍が発生した。すなわち、無処置のSCIDマウスでも移植可能であるが、その基本的条件はマウスの週齢で、6-7周齢までであることが判明した。これは、SCIDマウスの加冷に伴うNK活性の上昇によると推定された。そこで、既に報告した抗アシアロGM-1抗体処理をしたSCIDマウスの場合の成功率と比較するため、22匹の抗アシアロGM-1抗体処理をしたSCIDマウスに同数のMT-2細胞を接種したところ移植の成功率は90%に達し、腫瘍形成までの期間は早期3〜5週、後期7〜9週と二峰性の腫瘍発生時期が観察され、発生時期の短縮と、腫瘍の大きさの増大が認められた 以上の結果から、SCIDマウスに株化ATL細胞も移植が可能であること、ATL発病におけるNK活性との関連が危険因子のとして重要なことを明かにした。これらと平行してHTLV-ImRNAのRT PCR法による測定を行なっており、さらに分子生物学的レベルで解析が可能であると考えている。
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