1994 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテユト-デズリンパ球に発現される機能亢進VLA-4分子の構造に関する研究
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05670430
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50179610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安倍 達 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60051207)
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Keywords | SLE / 血管炎 / VLA-4 / LFA-1 / 血管内皮細胞 / フィブロネクチン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
SLE患者末梢血T細胞に発現される機能亢進VLA-4分子からのシグナル伝達 血管炎合併SLE患者末梢血T細胞にはLFA-1に加えβ1インテグリンのVLA-4分子が強く発現していることを明らかにした。VLA-4のリガンドとしてフィブロネクチンと血管内皮に存在するVCAM-1が明らかにされているが、これらの接着を介して血管の炎症が持続しているものと考えられる。最近、これらの接着分子は単に接着に関与するばかりではなく、接着によって細胞内にシグナルを伝達することが明らかにされている。そこで、インテグリンの発現、機能共に亢進しSLET細胞において、インテグリン空のシグナル伝達に関与する分子について、検討を加えた。インテグリンβ鎖は、リガンドと結合した後、接着斑の形成を惹起して、シグナルを細胞内に伝達する。接着斑を形成する構造蛋白であるタリンの発現を観察すると、正常人に比べ有意にその発現が亢進していた。SLET細胞は、無刺激でもフフィブロネクチンと接着するが、この際接着斑が形成され、その部位に一致して強いチロシンリン酸化を認めた。このことから、インテグリン/タリンを介して接着斑が形成され、さらにチロシンリン酸化が引き起こされ、最終的には細胞増殖、細胞分化へとシグナルが伝達されていくものと考えられた。 接着斑に局在するチロシンキナーゼFAK125の発現 SLET細胞がリガンドと接着する際に、タリンの発現や、チロシンリン酸化が強く惹起されたことから、接着斑に局在するチロシンリン酸化酵素が注目された。繊維芽細胞、血小板では接着斑に局在するチロシンキナーゼとしてFAK125が明らかにされ、脚光を浴びていたことから、SLET細胞においてもその可能性について検討した。興味深いことに、SLET細胞においても接着斑に一致して強くFAK125が発現され、しかもそれがチロシンリン酸化されていた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeuchi T.,et al.: "Systemic lupus erythematosus with necrotizing vasculitis and upregulated expression of VLA-4 antigen." Clin.Rheum.(印刷中). (1995)
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[Publications] Takeuchi T.,et al.: "Enhanced expression of pp125FAK in peripheral T cells in patients with systemic lupus erythematosus." Arth Rheum. 37. S377 (1994)
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[Publications] Takeuchi T.,et al.: "Unusual variant of Wegener's granulomatosis and the role of integrin adhesion receptors for pulmonary lesion" Jap J Rheum. 5. 1-9 (1994)
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[Publications] Takeuchi T.,et al.: "Upregulated expression of integrin adhesive receptors in systemic lupus erythematosus patients with vasculitis" J Clin Invest. 92. 3008-3016 (1993)
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[Publications] 竹内勤: "インテグリンを介したアウトサイド/インシグナル伝達と接着斑形成に関与する分子群" 日本臨床免疫学会会誌. 17. 515-524 (1994)
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[Publications] 竹内勤: "膠原病における血管病変" 医学のあゆみ. 171. 22-25 (1994)