1994 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病の主要病態としてのTリンパ球の機能亢進の機序の解析
Project/Area Number |
05670433
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
橋本 喬史 帝京大学, 医学部, 助教授 (30082142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 たみ子 帝京大学, 医学部, 助手 (80082204)
原岡 ひとみ 帝京大学, 医学部, 助手 (60228632)
広畑 俊成 帝京大学, 医学部, 講師 (90189895)
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Keywords | ベーチェット病 / 慢性関節リウマチ / Tリンパ球 / IFN-γ / スーパー抗原 / 単球 / 抗CD3抗体 / Tリンパ球抗原レセプター |
Research Abstract |
ベーチェット病の病態形成上Tリンパ球の異常が重要な役割を果たすことが指摘されてきている。昨年までの研究で、ベーチェット病患者Tリンパ球は、種々の細菌抗原のみならず細菌由来スーパー抗原に対して過敏に反応し、過剰のIFN-γを産生することが明らかとなった。本年度は、その機序について詳細に検討を行った。ベーチェット病患者Tリンパ球のSEC1に対する異常反応性は、慢性関節リウマチ患者Tリンパ球の存在下でも見られたのに対し、ベーチェット病患者単球は慢性関節リウマチ患者Tリンパ球のSEC1に対する反応性に対して変化を及ぼさなかった。従って、ベーチェット病患者においてはTリンパ球そのものに異常が存在することが判明した。ベーチェット病患者末梢血中においてはTリンパ球抗原レセプターのVβ鎖の分布に偏りは認められなかった。一方、固相化抗CD3抗体刺激下においては、低濃度(0.125μg/ml)においても高濃度(2μg/ml)においても、Tリンパ球によるIFN-γ産生はベーチェット病・慢性関節リウマチの間に有意差は認められなかった。しかし、低濃度(10pg/ml)のSEC1に対しては、ベーチェット病で有意に高いIFN-γ産生を示した。SEC1はTリンパ球抗原レセプターのVβ鎖に結合するのに対し、抗CD3抗体はその下流のCD3複合体と結合する。従って、ベーチェット病におけるTリンパ球の過敏反応性においては、Tリンパ球抗原レセプターのVβ鎖とCD3分子間のシグナル伝達の異常が重要な役割を果たしている可能性が強く示唆された。今後、このシグナル伝達の異常のメカニズムの詳細な解析が本症の病因解明上重要であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirohata S,Kosaka M.: "Association of anti-Sm antibodies with organic brain syndrome secondary to systemic lupus erythematosus." Lancet. 343. 796- (1994)
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[Publications] Hirohata S,Lipsky PE.: "Comparative inhibitory effects of Bucillamine and D-penicillamine on the function of human B cells and T cells." Arthritis Rheum. 37. 942-950 (1994)
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[Publications] Isshi K,Hirohata S,Hashimoto T,Miyashita H.: "Systemic lupus erythematosus presenting with diffuse low density lesions in the cerebral white matter on computed axial tomography scans:Its implication in the pathogenesis of diffuse central nervous system lupus." J Rheumatol. 21. 1758-1762 (1994)
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[Publications] 吉野保江、広畑俊成、竹内明輝、橋本喬史: "中臀筋内に黄色ブドウ球菌性膿瘍を形成した全身性エリテマトーデスの一例" リウマチ. 34. 786-789 (1994)
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[Publications] 吉野保江、広畑俊成、竹内明輝、橋本喬史: "肺高血圧症と腎血管性高血圧症を合併した抗カルジオリピン抗体陽性の全身性エリテマトーデスの1症例" 日本臨床免疫学会会誌. 17. 585-591 (1994)
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[Publications] Hirohata S,Nakanishi K,Hashimoto T: "Abnormal T cell responses to bacterial superantigens in Behcet's disease.58th Annual Meeting,American College of Rheumatology,Minneapolis" Arthritis Rheum. 37. S266- (1994)